ダウト 偽りの代償


 2023.7.25    不正を暴くために無実の罪をかぶる?【ダウト 偽りの代償】

                     
ダウト 偽りの代償/マイケル・ダグラス,アンバー・タンブリン,ジェシー・メトカーフ,ピーター・ハイアムズ
評価:3

■ヒトコト感想
若手ジャーナリストのCJが検事ハンターの不正を暴く。CJは無実の罪の者を、ハンターがでっち上げた証拠により死刑判決にまで持ち込んでいるとにらむ。CJの行動力がすさまじい。ハンターの不正を暴くために実際に起きた殺人事件の犯人とハンターが誤解するように、CJは犯人の証拠の数々をあえて自分で用意する。

犯人と同じ靴を買い、同じスエットと犯人が噛まれたであろう犬を用意する。そして、CJは見事犯人として刑事に逮捕され裁判でハンターと対決するのだが…。ここまでやるか?というのが最初の印象だが、ラストの展開を見るとCJがここまでやる意味がわかる。ラストのどんでん返しは確かにすさまじい。古い映画ではあるが、CJがそのまま犯罪者として死刑されそうな流れが良い。

■ストーリー
若手ジャーナリストのCJ(ジェシー・メトカーフ)は、百戦錬磨の検事ハンター(マイケル・ダグラス)が証拠を捏造して無実の被告人を刑務所送りにし、死刑判決まで勝ち取っていると睨む。CJは証拠を掴むためハンターの部下エイラ(アンバー・タンブリン)に意図的に近づくが、彼女の力を借りているうちにふたりは互いに惹かれあうようになっていく。

そんな中、CJはハンター潰しへの情熱から殺人事件をでっち上げ、自らが容疑者となることで、ハンターをハメる計画を実行するが、その企みに勘付いたハンターにより、逆にハメられる結果になってしまう。無実の証拠を握っていた友人も謎の事故死を遂げ、ついにCJに死刑判決が下されるが―。

■感想
検事ハンターとCJの対決。ハンターの部下のエイラを仲間につけたは良いのだが…。ハンターが証拠を捏造するように、CJ自身が無実ではあるが犯人となる証拠をあえて作り出し、逮捕されようとする。まず最初に思ったのはそこまでやるか?という思いだ。

CJの捏造シーンは強烈だ。すべてを同僚のジャーナリストが撮影し、裁判の証拠として提出しようとする。それを知り阻止しようとするのはハンターの側近の刑事だ。まさか刑事が証拠隠滅のため、CJの同僚を事故死させるとは思わなかった。

マンマとハンターをはめたかと思いきや、一転してピンチとなるCJ。このままでは殺人犯にされてしまう。焦るCJがエイラに助けを求める。ここで観衆はCJが無実の証拠をエイラが探し出すかと思いきや…。そっち方面にはいかない。

CJの偽造を証明したとしても、事件をCJが犯していない証拠にはならない。エイラが動くのは過去の事件でのハンターの偽造を証明することだった。ここからのミステリアスな流れは秀逸だ。エイラがハンターの不正を暴く。そして、ついにハンターは逮捕され、無事にCJは釈放されたのだが…。

本作がすさまじいのは、この後があることだ。やけにあっさりとCJが釈放されたかと思ったのだが…。実はまだ裏があった。CJはハンターの不正を暴くためとはいえ、ここまで危険なことに手を出したのか。ラストの展開を見れば納得できる。

エイラはすべてに気づいてしまう。そして、皮肉なことにハンターはCJの裁判で証拠を偽造したが、その必要はなかった。ハンターが裁判で指摘したことはすべて正しかった。このラストのどんでん返しがすさまじい。

強烈なインパクトのあるラストだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp