ダーク・プレイス


 2022.12.15     一家惨殺事件の真実【ダーク・プレイス】

                     
ダーク・プレイス
評価:3.5

■ヒトコト感想
幼いころに一家惨殺事件が起きた。その生き残りである幼女は成長し大人となる。この成長した女が、事件を起こしたであろう兄のベンとの交流を描く。ミステリアスな作品だ。序盤ではベンが悪魔崇拝にはまり一家を皆殺しにしたという流れとなっている。それを目撃したのは幼い女の子。自分の証言で兄が犯人として服役される。実はベンは無実ではないかという疑いをもつ組織があり、ベンの無実を晴らそうと活動している。

その組織に取り込まれ、女は自分の家族が惨殺された事件を調査することになるのだが…。家族が母子家庭で貧困にあえいでおり、どうにもならない状態というのがポイントだ。ベンが家族を皆殺しにしたと思わせておきながら、ラストで壮大な種明かしがある。

■ストーリー
28年前に起きた一家惨殺事件で生き残った、8歳の少女リビー。彼女の証言により、殺人犯として逮捕されたのは、兄のベンだった。大人になったリビー(シャーリーズ・セロン)の元へ<殺人クラブ>からの招待状が届く。「無実」を語り始めたベンに残された時間は、あと21日。闇に葬られたはずの真実が、狂い始める。

■感想
全体通して暗い雰囲気の作品となっている。幼いころに実の兄が母親や姉たちを惨殺した。生き残った少女は兄が犯人だと証言し兄は収監されてしまう。。。それから数十年後の物語となっている。過去の映像を交えつつ、当時何が起きていたのかが次第に明らかとなる。

ベンが悪魔崇拝に傾倒し、ベンは彼女を妊娠させ、さらにはふたりで駆け落ちのようなことをしようと考えていた。ベンの状況はいかにも何かを起こしそうなほど追い詰められていた。さらに衝撃なのは、母親もまた追い詰められていたというのがわかってくる部分だ。

物語全体として過去のパートは苦しくなる。母子家庭で3人の娘とベンを育てる母親。農場の経営が苦しく八方ふさがりの状態となっている。物語の中盤まではベンが犯人であるという流れではあるが、ベン自身が何かを隠しているというそぶりがある。

それらはすべて後半で明らかとなる。衝撃的なのは母親の決断だ。どうにもならない状態で子供たちを育てるためには、自分が犠牲になり保険金を子供たちに残そうと考える。そのごたごたと、ベンと彼女の状況が強烈なインパクトのある流れとなっている。

大人になり、自分が証言したことで兄のベンが長い間服役されることになる。実はそれが冤罪の可能性があるとわかる。過去にベンとつながりがあった者たちへ話を聞くことで、当時何があったのかが判明する。ベンがなぜひたすら証言を拒否していたのか。

自分が長期間服役することに対しては、何かを守るためにひたすら我慢し続けたのだろう。すべての真実が明らかとなる場面はかなり強烈だ。全体として悲しい物語であることは間違いない。誰が悪いというのはないのかもしれない。

強烈な作品であることは間違いない。



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