ダンサー そして私たちは踊った


 2023.9.6    印象的なジョージアの伝統的舞踊【ダンサー そして私たちは踊った】

                     
ダンサー そして私たちは踊った [ レヴァン・ゲルバヒアニ ]
評価:3

■ヒトコト感想
ジョージアを舞台としたダンサーの物語。ジョージアという小国でジョージアの伝統的な踊りを踊る。一瞬、バレエのような振り付けのダンスだが、明らかに違う。バレエとは違う独特の動き。テキパキとした動きがジョージアの踊りなのだろう。男女パートナーを組んで踊る。主人公のメラブは幼馴染のマリと組んでいるのだが…。恋人関係でもある。

メインの団員を補充するためのオーディションが開催される。レストランのバイトで生計を立てているメラブは踊りだけで食っていきたいと考えている。ダンスに心血を注ぐメラブの前に、才能あるダンサーのイラクリが入団する。ライバル関係にあるのだが…。不安定なメラブの心情と伝統的なダンスを生業とするものの苦悩が描かれている。

■ストーリー
ジョージアの国立舞踊団で、幼少期からダンスパートナーのマリとトレーニングを積んできたメラブ。日中のハードな練習の後はレストランでのアルバイトで家計を一手に引き受け、休む暇もない。ある日、カリスマ的な魅力のある青年イラクリが入団し、同時にメイン団員の欠員補充のためのオーディションの開催が知らされる。イラクリの持つダンスの才能に驚き芽生えたライバル心が、2人だけの早朝特訓を経て、やがて抗えない欲望へと変化していく…。

■感想
黒いピタッとした服を着て、細身の男女たちがペアになって踊る。ぱっと見はバレエのような雰囲気があるのだが、明らかに異なっている。日々ハードな練習をこなし、練習が終わるとバイトをする。踊りだけでは食っていけない雰囲気がある。

それでも夢を諦めきれずに、踊り続ける。才能があるものとない者。金にならないジョージアの伝統的な踊りを続ける理由。パートナーのマリとは恋人関係にあるがメラブとマリは一線を越えていない。貧乏なダンサーの青春といったような感じが序盤にあふれている。

舞踏団にイラクリが入団してくる。才能あるイラクリ。メラブはあっさりと抜かれ、メインの団への入団試験を控えている。メラブは早朝にイラクリと秘密の練習を続けるのだが…。ここでイラクリとメラブが変な雰囲気となる。メラブは男色に走ることになる。

ジョージアの伝統的な踊りは、男は男らしく踊ることを求められているのだろう。メラブは知らず知らずのうちにかわっていた。伝統的な踊りを汚すように自分の独自のアレンジを入れたりもする。後半のメラブは明らかに自暴自棄になっている。

マリはメラブのことに気づいているのか。メラブはイラクリに熱心となり、イラクリから連絡がこないことに苦悩したりもする。次第におかしくなっていくメラブ。兄を紹介したことからレストランのバイトをクビになる。ラストでは踊りのオーディションの場面になる。

印象的なジョージアの伝統的な舞踊は、最後までその雰囲気は変わらない。バレエよりもきびきびとした動きをする。ダイナミックな動きで相当消耗が激しそうだ。メラブがオーディションに落ちることは間違いないのだが、心は満足しているのだろう。

ジョージアのダンスが印象的だ。



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