カード・カウンター


 2024.5.20    手堅く小さな勝ちを続ける【カード・カウンター】


                     
カード・カウンター【Blu-ray】 [ ポール・シュレイダー ]
評価:3

■ヒトコト感想
ウィリアムは風変わりなギャンブラーだ。決して目立つことなく、小さな勝ちを続け、カジノから目をつけられないようにする。実は刑務所に10年間服役していたウィリアム。その理由としては、中東での戦争で捕虜たちに拷問を加えたためとなっている。拷問を指示した主犯であるゴードンは逃げ切っており、すべての責任は実行犯である上等兵たちにかぶせられる。

このあたり「ザ・レポート」などで語られている実話に基づいているのだろう。若者のカークからゴードンへの復讐を持ち掛けられる。カークの父親は同じくウィリアムのようにゴードンの責任を負わされた人物だった。ウィリアムのひりつくようなポーカーシーンが良い。ポーカーの緊迫感が伝わってくる作品だ。

■ストーリー
ウィリアム・テル(オスカー・アイザック)は、風変わりなギャンブラーだ。米国軍刑務所で10年間服役し、独学で「カード・カウンティング」と呼ばれるカードゲームの勝率を上げる裏技を学んだ彼は、「小さく賭けて小さく勝つ」がモットーで目立たず、匿名でいることを好む。ある日、ウィリアムはギャンブル・ブローカーのラ・リンダ(ティファニー・ハディッシュ)と出会い、大金が稼げるというポーカーの世界大会への参加を持ちかけられる。

さらにその直後、二人の男と遭遇する。一人は、かつて上等兵だった自分に“消えない罪”を背負わせた男ジョン・ゴード(ウィレム・デフォー)、もう一人はウィリアムにゴードへの復讐を持ちかける若者カーク(タイ・シェリダン)だった。ラ・リンダとカークとの運命的な出会いによって、謎につつまれたウィリアムの人生が徐々に明らかとなり、人生を賭けた復讐と贖罪のゲームの終章が幕を開ける。

■感想
配られるカードをカウントし、暗記することで、その後に配られるカードの確率を読み勝率を上げる。良いカードが来る確率が高いときには、大きく賭け、確率が低いときは小さく賭ける。結局は統計の話となり、手堅い賭け方となるのだが、決して負けることはない。

小さい勝ちを続け、大勝しそうになるとすぐにやめる。カジノ側から危険視される前に目立たずに勝ち抜ける。ウィリアムは圧倒的な雰囲気があるのだが、決して目立たずひっそりと勝ち抜けていく。対照的な描かれ方をしている星条旗のタンクトップを着てUSAと叫ぶギャンブラーとの対比が良い。

ギャンブルブローカーのリンダから出資を受けてギャンブルをすることを持ちかけられる。リスクを負うことを避けるウィリアムは、最初は拒否したのだが…。若者カークの登場により気持ちが変化していく。ここからウィリアムの過去が明らかとなる。

中東との戦争での捕虜たちに壮絶な拷問を繰り返してきたウィリアム。命令でもあるのだが、本人の資質として向いていたというのもある。それがスキャンダルとなると、トカゲのしっぽ切りをされ、拷問コンサルタントであるゴードンは逃げきってしまう。

ゴードンへの復讐が本作の最終目的だ。ウィリアムはポーカーで勝ち続け、出資を受けて大きく勝ち続ける。賞金をリンダと山分けしたりと、順調なのだが…。カークのことを調べ、資金を提供し母親に会いに行くようにアドバイスするのだが…。カークが単独でゴードンへの復讐を実行したと知る。

それまで冷静であったウィリアム。USAと叫ぶギャンブラーとの対決で、ひりつくようなポーカー勝負が繰り広げられるのかと思ったが…。ラストは意外な展開となる。

ポーカーシーンはひりつく展開だ。



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