ブレイン・ゲーム


 2022.11.5     未来が見えたところで、碌なことがない【ブレイン・ゲーム】

                     
ブレイン・ゲーム [ ジェフリー・ディーン・モーガン ]
評価:3

■ヒトコト感想
予知能力をもつジョンがFBIの手伝いをし、謎の殺人事件の調査をする。予知能力があるため、FBI捜査官に出会った瞬間に未来が見えてしまう。見えるときと見えない時があるのだろう。連続殺人事件はすべて一瞬で延髄を一突きされているため、苦痛をまったく感じずに死んでいる。実は殺された者たちは末期がんや何かしら疾患を抱えており、将来的にも死ぬ運命にあったとわかる。

ここでジョンが連続殺人犯の正体が自分と同じ予知能力がある者と断定する。アンブローズの主張する言葉はもっともなことに思えてくる。これから先辛く苦しい思いをするよりは…。病気で死ぬよりも殉職で遺族年金をもらうことで息子が進学できる。アンブローズの納得の言葉が続いていく。

■ストーリー
FBI特別捜査官のジョー・メリウェザー(ジェフリー・ディーン・モーガン)と若き相棒捜査官(アビー・コーニッシュ)は、連続殺人事件の捜査に行き詰まり、元同僚のアナリスト兼医師ジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に助けを求める。博士は引退し隠遁生活を送っていたが事件に特別の感情を抱き、容疑者のチャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)を追跡していく。だが並外れた予知能力の持ち主である博士は、この殺人犯が自身以上の能力をもっていることに気付く…。

■感想
首の延髄を一突きで、まったくの苦痛もなく対象を殺す連続殺人事件が勃発した。捜査を担当するFBIは予知能力があるジョンを助っ人として呼び寄せるのだが…。ジョンは若い捜査官の額から血が噴き出る場面を見てしまう。

ジョンの調査により被害者たちは何かしら疾患を抱えていたとわかる。それも治る見込みがなかったり、精神的に病んでおり自殺願望があったり。少年については、誰も発見できていない小さな脳腫瘍があった。それらを見た瞬間にジョンは犯人が自分と同じように予知能力があると気づく。

ジョーはある事件で撃たれて瀕死の重傷を負う。これすらもアンブローズの策略だった。実はジョーは末期がんだった。このままがんで死ぬよりは、殉職した方が遺族年金がでるということでアンブローズが立てた計画だった。

これはある意味正しいのかもしれない。ただ、ジョンからすると許せない。未来が見えるアンブローズを逮捕することは難しい。未来を変えることができるのは、同じく未来をみることができるジョンだけ。アンブローズが大胆な行動にでるのは、未来が見えているからだ。

ラストはアンブローズとジョンの対決となる。未来は見えているはずだが、それでもお互いが未来を変えることはできる。アンブローズは恐らく何不自由ない暮らしはできるのだろうが、未来が見えることで、精神的におかしくなっているのかもしれない。

ジョンにしても自分の娘の死期を見てしまい、これから先、痛みに苦しみ続けるのを見てられないため、ジョンは決断をする。普通の人間であれば未来は見えない方が良いのだろう。未来が見えたところでろくなことがないのは確かだ。

アンブローズの行動には少し共感できてしまった。



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