BLUE GIANT DVD スタンダード・エディション [ 石塚真一 ]
評価:3
■ヒトコト感想
原作漫画は読んでいる。アニメ化され、演奏シーンをどのように表現するかが興味があった。想像よりも演奏の強烈さがしっかりと表現されていた。漫画では大たちが演奏した瞬間に、観客たちがその演奏に圧倒されたと一目でわかるように表情に変化がある。実際に音はでていないが、さぞすさまじい音が響き渡っていると想像したのだが…。
演奏のすさまじさはアニメでしっかり表現されている。沢辺と玉田とバンドを組む。玉田が初心者からドラムを始めるという無茶な状況が本作のメインのひとつとなっている。原作漫画ではそれまでの大の成長物語が描かれていたが、アニメとしてはさらりとはしょられている。ラストの結末が映画用に都合の良いように変更されているのが気になったくらいだ。
■ストーリー
JASSが奏でる圧倒的なパフォーマンスに日本中が熱狂!!石塚真一による大人気原作を立川譲監督が映画化。熱く激しい青春映画の名盤
■感想
大が仙台から東京にでてきて成長するまでを描く。大はそれまでに練習や経験でかなりの腕前だということは漫画を読んでいればわかる。沢辺は登場時点で、かなりの実力があると表現されている。序盤で沢辺は大のサックスの実力を知り衝撃を受ける。
ここで問題になるのがドラムの存在であるのだが…。全くの初心者である玉田がドラムとして参加することになる。映画の中でもかなりの時間を使われている部分ではあるが、玉田の初心者からの成長物語という意味合いが強い。
大の成長という意味ではあまり描かれていない。大はライブを行えば、かなり評価が高い。漫画原作での様々な困難を潜り抜けた後の物語なので、大のすごさを表現するパートとなっている。そこから、沢辺はテクニックに頼りすぎるだとか、横暴だとかいうことで一度挫折がある。
挫折や困難を潜り抜けた後にレベルアップするのは定番だろう。大がバンドを引っ張る形で、ライブで話題を呼ぶ。東京パートの最終目標であるソーブルーでのライブを行うことになる。
ラストが原作と異なっているのがかなり気になったのだが…。ライブシーンは確かに迫力がある。大のサックスは、曲だけ聞くと確かにうまいかもしれないが、漫画で感じたような圧倒的な衝撃というのはない。曲だけでなく映像でも大のサックスのすさまじさが表現されている。
沢辺のピアノ演奏や玉田のドラム演奏も、それなりに強烈な演奏表現がされている。沢辺がラストの事故でソーブルーに参加できないのは良い。そこから映画版として沢辺がギリギリの状態で最後の曲だけ演奏するといのは少し興ざめした。
漫画ファンならば見てもよいだろう。