2022.9.23 家族のコスプレ写真を撮る【浅田家!】
浅田家! 豪華版 [ 二宮和也 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
家族のコスプレ写真をとることで写真家として成功した政志。家族を巻き込んで、家族もそれに協力したということで話題になったのだろう。そこから写真家として写真集をだしたりもする。その後、他の家族の思い出となる写真を撮り始める政志。その家族写真が、東日本大震災が発生後の宮城での活動に繋がる。
本作で描きたかったのは、震災での写真を発掘する作業なのだろうか。家族を亡くした人が、遺影用の写真を探すために尋ねてくる。悲しいことだが、少しでも写真が見つかれば、それは救いとなる。コスプレ家族が政志に振り回されるというのもあるのだが…。家族の温かさに強烈なインパクトがある。ノリノリでF1レーサーのコスプレをする家族は強烈だ。
■ストーリー
幼いころ、写真好きの父からカメラを譲ってもらった政志(二宮和也)は、昔から写真を撮るのが大好きだった。そんな彼が、家族全員を巻き込んで、消防士、レーサー、ヒーロー、大食い選手権……。それぞれが“なりたかった職業"“やってみたかったこと"をテーマにコスプレし、その姿を撮影したユニークすぎる《家族写真》が、なんと写真界の芥川賞・木村伊兵衛写真賞を受賞!受賞をきっかけに日本中の家族から撮影依頼を受け、写真家としてようやく軌道に乗り始めたとき、東日本大震災が起こる一。かつて撮影した家族の安否を確かめるために向かった被災地で、政志が目にしたのは、 家族や家を失った人々の姿だった。
■感想
幼いころにカメラを手にしたことから写真家となる政志。前半は政志のだらしなさが強烈に描かれている。ただ、根本にあるのは浅田家の仲の良さだ。母親が看護師として働き、父親は主夫となる。兄はしっかりと就職しているが、政志だけはだらだらとパチスロをしたりもする。
写真の才能に目覚めたのは、家族のコスプレ写真を撮り始めてからだ。きっかけは父親の夢が消防士ということで、そのコスプレ写真を撮ることになる。ここから、家族の夢をそのままコスプレ写真として撮りはじめる。
家族の面白コスプレ写真の写真集をだしたりと、政志は写真家として成功する。その後、東日本大震災が発生したことで人生が変わる。それまで他の家族の思い出の写真を撮ることを仕事としていた政志だが、家族写真を撮った家族の父親が行方不明となった現状を知る。
情報として知ってはいたが、震災の際に流された写真を修復するボランティアがいたらしい。泥まみれの写真をキレイにし、写真を探す人が見つけて写真を受け取る。写真をキレイにする作業は良いのだが、そこから持ち主に戻るまでは遥かに長い道のりだ。
後半は東日本大震災の感動物語となる。震災の初期は、行方不明者を探す人にとっては、写真をキレイにしている作業は邪魔に感じるのかもしれない。例え助かったとしても家を流された人が一番心残りになるのはやはり写真なのだろう。
思い出の写真を探し出すことができる喜びはすさまじい。それとは別に、行方不明だった娘の遺体が見つかり、葬式をだすための遺影を探しにきた父親の心境はすさまじい。もしかしたら、遺影のために写真を探しにくる人は多いのかもしれない。
後半には想像もしていない感動物語となる。
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