青い塩


 2023.7.7    韓国では汁物が最優先だ【青い塩】

                     
青い塩/ソン・ガンホ,シン・セギョン,チョン・ジョンミョン,イ・ヒョンスン
評価:3

■ヒトコト感想
元ヤクザで今は引退したおじさんと、実は殺し屋でスナイパーな若い女の物語。出会いのきっかけは料理教室で隣り合ったこと。そもそも女はおじさんを監視するために近づいていた。最終的にはおじさんを殺すはずが、関係が深まったため女はおじさんを殺すことができない。おじさんが引退したとはいえ、ヤクザのボスが死んだためにその後継者と目され、ライバルたちから狙われることになる。

おじさんは無欲ではあるが、いざチンピラに狙われるとあっさりと返り討ちにしたりもする。このおじさんの不死身具合がすさまじい。車に轢かれたとしても、むくりと起き上がり、車のガラスを破り運転手を掴み上げたりもする。女の葛藤とおじさんとの関係がポイントだろう。

■ストーリー
ソン・ガンホ×『イルマーレ』のイ・ヒョンスン監督が贈る新たな愛の物語。スタイリッシュな都市ソウルと美しい塩田風景のプサンを舞台に、年齢や境遇の異なる男女がじかれあう物語を珠玉の映像美で綴る。

■感想
元ヤクザのおじさんが料理屋を開くことを目指し料理教室に通う。いかにも不器用であたふたしている。隣にいる美女はテキパキと料理をしている。ここでおじさんと女の関係が作り上げられる。恋愛関係に発展することはない。

おじさんの料理は不味いが女は料理がうまい。歳の差カップルにはなりえない。ただ二人の関係は良い。実はそこには裏があり、おじさんを狙うヤクザ組織が女を雇っておじさんを殺そうとしていた。韓国の料理の習慣でまずは汁物を作るというのが印象的な物語だ。

おじさんは元ヤクザではあるが、ヤクザ組織のゴタゴタがあり元仲間たちに狙われることになる。引退したおじさんを付け狙うのはおじさんの実力があるからだろう。闘いのスキルはすさまじく、襲ってきたチンピラたちを次々と倒したりもする。

女はおじさんの監視役だが、いつの間にかおじさんに興味をもっている。おじさんと若い女は恋愛関係にならないのが良い。純粋に友達としての関係で匿われたおじさんと女は一緒に住んだりもする。おじさんが女がスナイパーだと知るのはもう少し後だ。

女はおじさんを殺さなければ自分が殺される危険がある。女の葛藤がすさまじい。おじさんがチンピラたちに襲われると、女は本来おじさんを狙うために他の建物からスコープ越しにおじさんを覗いていたのだが、そのままチンピラたちを狙撃している。

おじさんと女がお互いの立場をわかった上で、そのまま部屋で料理を作って食べるシーンは最高だ。韓国の料理として汁物がまず第一になるというので、おいしそうなチゲ鍋のようなものを作っている。

おじさんと女の関係が強烈だ。



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