あの夜、マイアミで


 2023.4.5     黒人の有名人たちの集い【あの夜、マイアミで】

                     
あの夜、マイアミで
評価:3

■ヒトコト感想
黒人差別撤廃の物語かと思いきや…。思いのほかホテル内での会話メインの作品となっている。各界のカリスマたちが友達だったという事実には驚くしかない。さらに言うなら、モハメド・アリはもともとカシアス・クレイという名で、イスラム教に改宗したのでモハメド・アリとなったことに驚いた。

マルコムXのこともよく知らないが、黒人の権利を主張することと、イスラム教に改宗することのつながりはよくわからなかった。有名人の四人がホテルで会話しそれぞれの考えを主張する。モハメド・アリなんてのは、よく考えればムハンマドから来た名前だというのはわかる。黒人差別を描いているようで、そうではない、黒人内部の関係性が描かれた作品だ。

■ストーリー
「あの夜、マイアミで」は60年代の公民権運動や文化のうねりのさなか、各界のカリスマ的存在であるモハメド・アリ、マルコムX、サム・クック、ジム・ブラウンが自分たちの役割を熱く語り合う特別な一夜を描いている。

■感想
モハメド・アリはよく知っている。マルコムXは名前は聞いたことがあるが、どのような人物かは知らない。サム・クックもジム・ブラウンも良く知らなかったが、本作を見ることでだいたいわかってくる。

ボクシング(モハメド・アリ)、ジャズシンガー(サム・クック)、NFL(ジム・ブラウン)がマルコムXと友達で、黒人の地位を向上させようとする。序盤では黒人であるがゆえに不当な扱いを受ける場面が登場してくる。ジム・ブラウンの状況はすさまじい。大ファンという白人の男から歓迎されるのだが、家には黒人は入れないからとベランダでお茶をするのは衝撃的だ。

モハメドアリは改宗前はカシアス・クレイという名前だった。それがマルコムXに誘われる形でイスラム教へと改宗する。実はマルコムXは公民権運動に力を注いだというよりは、本作ではイスラム教を布教したというイメージを強く描かれている。

マルコムXの周りには常にイスラム教の黒人信者たちが守っている。FBIに監視されたり、家が何者かに放火されたりとマルコムXの周りには危険が付きまとっている。モハメド・アリがイスラム教だというイメージはなかった。ただ、よく考えれば名前がそのままだ。

本作はホテルの一室で4人が話をする物語となっている。基本はマルコムXの影響でカシアス・クレイがイスラム教に改宗することに驚く残りの二人という流れだ。マルコムXの熱心な活動というのはわかるが、黒人の地位向上よりもイスラム教の布教や、黒人内の中での自分たちの立場の強化に力を注いでいるように思えた。

驚いたのは、黒人社会でも肌の色が薄い(白人の血がある)か濃い(黒人家系)により薄い方が軽く扱われるというのは知らなかった。

白人に頼ることを避けたいマルコムXの主張は強行すぎると感じた。



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