2023.7.21 アル中まっしぐらな生活【アナザーラウンド】
アナザーラウンド [ マッツ・ミケルセン ]
評価:3
■ヒトコト感想
高校教師のマーティンと同僚3人の物語。3人とも何かと問題を抱えている。生徒たちに魅力ある授業ができず、親からクレームが入ったマーティン。3人の子どもの面倒を見ている妻から邪慳に扱われる男。それぞれがいまいちな日常を送っていたのだが、血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が上がる、と聴きそれを実行する。
仕事中にほろ酔い加減ではあるが、皆すこぶる調子が良い。マーティンは明るく授業を行い生徒たちはやる気に満ち溢れている。これが本当に幸せなのか。だんだんとエスカレートしアルコール濃度を高くし、ついには…。4人の飲み会の場面はすさまじい。濃い酒をひたすら飲み続けベロベロになる。ある意味、アル中まっしぐらの生活なのだろう。
■ストーリー
冴えない高校教師マーティンとその同僚3人は、ノルウェー人哲学者の「血中アルコール濃度を常に一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため実験をすることに。すると、これまで惰性でやり過ごしていた授業も活気に満ち、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生がいい方向に向かっていくのだが、実験が進むにつれだんだんと制御不能になり―。
■感想
怠惰で平凡な日常。それに不満を感じ始めた者たち。やる気がないわけではないが、覇気がないというか。マーティンの普段の授業はまさにやる気のない教師の歴史の時間という感じだ。テストを控える生徒たちから不満が噴出し、マーティンは追い込まれることになる。
他の同僚の3人と実験と称して勤務中に酒を飲むことにした。少しの酒ならば、気分が大きくなり日常の仕事にも変化がでてくるのだろう。ほろ酔い加減で授業を実行したところ、思いのほか生徒からの評判がよく、気分のよくなる4人であった。
ほろ酔い授業が次第にエスカレートしていき、アルコール濃度は次第に高くなる。明らかに酔っぱらった状態での授業となる。学校内で酒瓶が見つかったりと校長が異常に気付き始めたのだが…。足がふらふらした状態で職員会議に参加しているのはさすがに問題があるのだろう。
4人は最後に盛大な飲み会を実施する。その内容がすさまじい。アルコール度数の高い酒をひたすら飲み続ける。べろんべろんになり、千鳥足でやばい状態となる。ついにはおねしょをしたり、路上で倒れたりもする。
強烈なインパクトがあるのは間違いない。酒浸りとなり変化はあったが、それはそれで代償がある。授業は評判よくても、家族関係はめちゃくちゃとなる。それぞれが禁酒をするのだが…。同僚のひとりは最後まで酒を辞められずに遂には自殺のような形で海に船で出ていくことになる。
少量の酒であれば、もしかしたらよいのかもしれない。ただ酒は耐性がつくので、少量で酔っていたのが次第に量が増えていくのかもしれない。まさに、このまま続けていたらアル中まっしぐらかもしれない。
酒の怖さを感じさせる作品だ。
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