アナザー・カントリー


 2022.3.15      同姓愛がはびこる全寮制の男子校【アナザー・カントリー】

                     
アナザー・カントリー HDニューマスター版
評価:2.5

■ヒトコト感想
現在のベネットがインタビュー形式で過去のスクールでの出来事を語る。将来を嘱望された者たちが通うスクールでの権力争い。そして、同性愛と野望。学生たちが駆け引きをしながら、目的を達成しようとする。規律が厳しい学校なので、同姓愛などもってのほか。そのことがバレるとたちまち権力を失っていく。学生たちの駆け引きがすさまじい。そして、同姓愛が蔓延している学内で、そのことが脅しの内容となるのもまたすさまじい。

将来を嘱望された学生たち。当然ながら親たちの立場の違いもまた子供たちへ影響していく。誰が次のトップに立つのかすら激しい駆け引きの中決められていく。学生時代からまるで政治家のような駆け引きが繰り返されている。

■ストーリー
ガイ・ベネットはパブリック・スクールの代表を狙い、将来はフランス大使を目指している野心家。その一方で、彼は同性愛者で別の寮にいるハーコートに恋している。そんな彼を親友で共産主義のジャドは静かに見守っている。ある日、学生2人の性的行為の現場が教師に目撃されてしまい、学内は規律を厳しくする方向に傾いていく。やがて目立つガイを快く思わない者が同性愛を理由に彼への批判を高めていく…。

■感想
全寮制の学校であり、同性愛が蔓延しており、共産主義に傾倒していく学生たち。将来は外交官になるような学生たちが通う学校。同性愛の現場を教師に見つかったことから生徒が自殺するという事件が起きりもする。

自治会のエリートであるゴッドに選ばれるために、学生たちは駆け引きを繰り返す。非常に複雑であり、学生たちの権力争いが激しく繰り返される。同性愛を理由に次のゴッドへの指名を拒否される者などもいる。自責の念と権力闘争での複雑な心境がないまぜとなっている。

上流階級の選ばれた者しか入学できない全寮制の学校。容姿端麗で能力の高いベネットは将来が約束されているのだが、そんなベネットに反感をもつ者もいる。共産主義者のジャドがベネットを敵対視するのだが…。

そんな状態でベネットが別の寮で暮らす美少年のハーコートに一目ぼれをしてしまう。この強烈なインパクトがあるのは美少年たちの恋物語なのだろう。そこから、どのような変化が訪れるのか。愛を選ぶのかそれとも権力を選ぶのか…。

同姓愛がタブーとされている時代で、同性愛がバレるというのはほぼ死に近い状態なのだろう。自殺した者がいるのも、それを証明している。そして、権力争いの足かせとなるのは、間違いなく同性愛の性的趣向だ。男だけで暮らす全寮制の学校だからこそ起こりうることなのだろう。

将来を約束された者たちが、強烈な流れの中で将来のルートから外れていく。これが男女共学の学校であれば、また結末は違ったのかもしれない。エリートたちが暮らす男だけの全寮制の学校というのは、何かがあるのは間違いない。

学生たちの権力争いは強烈だ。



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