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　2022.11.6 　　　　そう遠くない未来の社会【ANON　アノン】

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ANON アノン
評価：3

■ヒトコト感想
体に何か埋め込まれているのだろうか。人が映像として見たものがすべて記録として残される。パソコンの画面で何かを操作するのではなく、すべて頭の中で映像として処理する。高度に進化した未来ではプライバシーはほぼないと言ってよい。そんな状態で、一切記録のない女が登場してくる。管理社会から逃れるすべはないはずが、記録のない女による殺人事件が起きる。

相手の目をハッキングしリアルタイムに現実とは異なった映像を見せるのは強烈だ。そして、自分に関する記録をすべて消去してしまう。IT技術云々の領域を超えている。未来がこうなるとは思わないが、これに近い形にはなるだろう。管理社会の中で、素性不明というのは実は一番の強みなのかもしれない。

■ストーリー
地球上の全ての人間の記憶は記録・検閲され、個人のプライバシーも匿名性も失われた近未来。「秘密」はもはや過去の遺物となり、犯罪さえも消滅していた。しかし、起こるはずのない殺人事件が発生。捜査上で頼りになるのは、一切の「記録がない女」(ANON=匿名)だった。事件は何かの始まりを示唆するかのように、次々と発生し……

■感想
近未来の監視社会とでもいうのだろうか。人の脳にマイクロチップが埋め込まれているのだろう。すでにPCのモニターは必要なく、視覚でデータを処理できる。視覚から入る情報は常に記録されており、それをいつでも取り出せる状態となっている。

さらには、相手の視覚の情報も手に入れたりもする。高度な情報化と監視社会なので、警察はただ犯人を追いかければよいだけ。捜査をするなんてことはない。死体の記録を見れば誰に殺されたのかが一目瞭然だ。目に入る情報は常に検索され不明な情報はない。とんでもない社会だ。

監視社会から逃れる女がいた。顔を見ても情報がでてこない。正体不明の女。監視社会でそれは許されない。さらにはその女が次々と殺人事件を起こしていた。。。刑事が囮としてその女に近づこうとする。強烈なのは、相手の視覚をハッキングしリアルタイムに違う映像を見せる部分だ。

こんなことをされたら人は抗いようがない。さらには、謎の女は刑事に対してとんでもない仕打ちをする。幼いころに死んだ息子の記録を全て消してしまう。それは刑事の妻の中の記録も同様にだ。

ハッキング技術が高度なので、謎の女に関するデータはすべて消去されてしまう。高度な監視社会では殺人というよりは、正体不明ということの方が問題になるようだ。情報が正しい前提で動いているので、もしその情報をハッキングされ、誤った情報が蔓延したら…。

人の視線に入るものはなんでも瞬時に検索し情報が表示する。今の技術でも眼鏡にモニターを仕込めば似たようなことができるのだろう。ここに顔認証も入れば、すれ違う人が誰なのか瞬時にわかってしまう。

遠くない未来の社会かもしれない。