アメリカン・ハッスル [ クリスチャン・ベイル ]
評価:3.5
■ヒトコト感想
実際に起きた詐欺事件を描いた作品。クリスチャン・ベイルが太った薄毛のアーヴィンを演じるのだが、本当に太っているのがすさまじい。相変わらずの肉体改造具合だ。詐欺師のアーヴィンと愛人のシドニーがFBIに逮捕され、イカれた捜査官のリッチーに捜査協力をすることで無罪放免されることを狙う。政治家とマフィアを罠にはめて逮捕することを考えるのだが…。
アーヴィンの妻のロザリンが邪魔をする。アーヴィンにはめられる市長のカーマインが哀れでならない。心底アーヴィンのことを信頼していたのだが、最後の最後に裏切られ、そのことをアーヴィンに告白される場面は強烈だ。家族ぐるみの付き合いだけに、それらがすべて嘘だと分かった時の、カーマインの家族の絶望的な表情は印象的だ。
■ストーリー
汚職政治家を捕まえるため、FBI捜査官が協力を依頼したのは・・・天才詐欺師!全世界が驚いた、まさかの実話!完全犯罪を続けてきた天才詐欺師アーヴィン・ローゼンフェルド(クリスチャン・ベイル)と、そのビジネス・パートナーにして愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。遂に逮捕された二人は、イカれたFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に、自由の身と引き換えに捜査協力を強いられる。
それは偽のアラブの大富豪を使って、アトランティック・シティのカジノの利権に群がる政治家とマフィアを罠にハメるという危険な作戦だった。ターゲットはカーマイン(ジェレミー・レナー)。しかし、アーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)が、アーヴィンとシドニーへの嫉妬から捜査をブチ壊す動きを見せるが・・・。最後の1秒まで騙し合う5人。果たして、最後に笑うのは誰だ!!!!!
■感想
天才詐欺師のアーヴインが相手をだます。リッチーは功を焦りすぎて上司と険悪となる良くないタイプのFBI捜査官だ。アーヴィンは薄毛を、無理やり部分かつらをつけてごまかしている微妙な容姿をしているが、相手を丸め込む話術はすさまじい。
愛人のシドニーがリッチーと良い関係になるのが我慢できないらしく、苛立ったりもするだが…。一番の問題はロザリンだ。アーヴィンとシドニーの関係に感づいており、シドニーを目の敵にする。それだけでなく、アーヴィンたちの計画をぶち壊すような行動をとり続ける。
市民に大人気の市長カーマインが罠にはめられているのは心が痛くなる。家族を大事にし、市民のために活動する正義の市長。わいろを受け取り、カジノを開くために、大物マフィアへの取次を行ったりもする。アーヴィンのことを心の底から信頼しているのだろう。
ロザリンが変なことを口走ったせいで、マフィアに殺されそうになっても、まだアーヴィンのことを信頼していた。今回の作戦で一番得をしたのは、間違いなくリッチーだ。最も嫌な性格の登場人物が大成功する。その他の善人たちが痛い目を見るのはつらい。
ロザリンのシドニーに対するライバル心はすさまじい。詐欺行為からは離れた場所にいるロザリンではあるが、場を荒らしている。アーヴィンたちの作戦を台無しにする行動や、秘密の情報をマフィアに漏らしてしまったり。そのことで、アーヴィンとカーマインがマフィアに殺されそうになったりもする。
ロザリンへのむかつく感情が高まるとともに、ラストでアーヴィンが涙ながらにカーマインへすべてを告白する場面は強烈だ。アーヴィンの策略によりカーマインは汚職の罪で逮捕されるのだろう。
クリスチャン・ベイルの太り具合がすさまじいインパクトがある。