アメリカン・アニマルズ


 2023.11.23    若者たちのちょっとしたお遊びが人生を崩壊させる実話【アメリカン・アニマルズ】

                     
アメリカン・アニマルズ [ エヴァン・ピーターズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
実話をもとにした作品だ。若者たちが図書館の貴重な本を盗み出すまでを描く。合間ではなぜそのような行動を起こしたかを成長した4人の若者が語っている。将来有望な若者まで、仲間の誘いにより道を外れていく。最初は些細なことから始まったのだが、最終的には特別なことを経験したいという仲間によって巻き込まれていく。

盗みの計画はものすごくずさんだ。顔も隠さずにそのまま盗みを働いている。かろうじで図書館司書を怪我させることは避けようという気持ちはあるようだが…。盗んだ後に、貴重な本を現金に換えるための行動もかなり危険だ。少しのミスで逮捕されるかも?という緊迫感が強烈に伝わってきた。ちょっとした遊びから人生が崩壊するのは強烈だ。

■ストーリー
オレたちは待っていた、“何か"が起こる日を。「I'mAlive! ! 」とジョニー・サンダーを歌いながら車を飛ばしていく青年、ウォーレン(エヴァン・ピーターズ)とスペンサー(バリー・コーガン)。廃棄された食べ物を盗むことで最小限のリスクを楽しむ、そんなどうしようもない毎日だ。くだらない日常に風穴を開けたい、特別な人間になりたいと焦がれる2人は、大学図書館に貯蔵される貴重な本を盗み出す計画を思いつく。手に入れれば1200万ドル。誰よりも自由を求めるウォーレンと、スペシャルなことを経験したいと願うスペンサーは仲間集めを始めることに。

目をつけたのは、FBIを目指す秀才エリック(ジャレッド・アブラハムソン)と、当時既に実業家として成功を収めていたチャズ(ブレイク・ジェナー)。彼らは互いを『レザボア・ドッグス』に習い「ミスター・ピンク」「ミスター・ブラック」などと呼び合うのだった。強盗作戦決行日、特殊メイクをして老人の姿に扮した4人は遂に図書館へと足を踏み入れる――。そこで彼らを待ち受ける運命とは?これは、刺激を求めて道に迷ったアメリカン・アニマルズ達の物語。

■感想
てっきり若者たちが綿密な計画を立て、貴重な本を盗み出しそのまま捕まらずに逃げ切る物語かと思った。ちょっとしたスリルを味わうために始めた活動が、いつの間にかエスカレートし図書館から貴重な本を盗み出すことを計画する。

確かに、おばさんの司書がいるだけの部屋に数十億円になる貴重な本があるとわかると、どうにかしたいと思うのかもしれない。ただ、大前提として盗んだ本を現金化する手段がないとダメだ。盗品、それも貴重な本を現金化というのはとんでもなく難しいことだ。

自分たちは特別な人間だと思い込み、スペシャルな日常を送りたい。そして自由を求めるために貴重な本を盗み出すことを計画する。そのために仲間を集めるのだが…。声をかけられた仲間は不運でしかない。そのことがなければ前途洋々な将来を過ごしていたはずなのだが…。

FBIを目指す秀才や金持ちのエリートまで。将来を棒にふるリスクを冒してまで行うことではない。綿密な計画を立て、特殊メイクで老人のふりをして本を盗もうとするのだが…。あっさりと失敗する。

二度目のチャレンジではまさに素顔をそのままさらしたまま、ほぼ無計画で実行する。失敗すると人生が崩壊するほどの行動であるはずが…。司書を拘束して本を盗み出す。エレベータで地下にいくが、そこから脱出できないとわかると、いろいろな人が本を読んでいる1階から貴重で巨大な本をふたりで運び出そうとする。

明らかにおかしい状況だ。極めつけは盗んだ本を売り払うために、連絡先として伝えたのが自分の携帯の番号で、そこにはさわやかな声の留守番電話で身分を明かしている。ずさんすぎる計画だ。

若者たちのちょっとした思い込みが人生を崩壊させている。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp