アデライン、100年目の恋


 2022.12.16     不老は決して良いものではない【アデライン、100年目の恋】

                     
アデライン、100年目の恋 [ ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
ある事故をきっかけとして不老となった美女アデラインの物語。30歳くらいで老化が止まる。不自然ではあるが、女性ならば誰もがもとめるような状態だろう。自分の娘と姉妹のようにみられ、ついには娘の方が年上に見られてしまう。最初は周りからうらやまれるような状態ではあったが、そこからアデラインの奇妙な状況に気づくものがでてくる。ひとつの場所に永住することなく、名前を変えて素性を隠して生活する。

その場で新しい人との出会いがあったとしても、決して写真を撮るなどはしない。非常に悲しい人生だろう。娘がまるでおばあちゃんのようになっても、アデラインのことをママと呼ぶ場面は物悲しくなる。強烈なインパクトがあるのはやはりアデラインの美しさだろう。

■ストーリー
奇跡的な出来事がきっかけで年を取らなくなってしまったアデライン・ボウマン。100歳を超えているのに29歳の姿のままの彼女の心の支えは、愛犬と、老いた一人娘フレミングだけ。偽名を使い、住む場所を変え、友人も作らず孤独に時を過ごしている。そんなアデラインの前にカリスマ的な魅力を持つ青年エリスが現れる。エリスにどんどん惹かれていくアデラインだが、二人の間に秘密と過去の恋が立ちふさがり・・・・・・。あらがうことのできない運命に流されて生きたアデラインが100年のときを経て見つけたものは?見る人のハートを揺さぶる、現代版ラブファンタジー。

■感想
アデラインは事故により不老の体となる。女性であればだれもがうらやむような体質だろう。いつまでも30歳の若々しさを保ちながら、娘と二人で生活する。知り合いであれば、明らかにアデラインがおかしいとどこかで気づくだろう。いつまでたっても若々しいアデラインにFBIなどが気にし始める。

そこでアデラインはまったくの別人となり知り合いのいない場所で生活する。こうすれば、アデラインはただの美しい女性としてひっそりと生活することができる。やはり衝撃的なのはおばあさんが登場し、アデラインのことをママと呼ぶ画面だろう。

アデラインは名前をかえてひっそりと生活する。ただ、娘とだけは交流があるようで、頻繁に会っているようだ。アデラインが不老であることを怪しんでいた者たちは、みな生きていないという娘の言葉は、ものすごい月日を感じさせずにはいられない。決して老いることがないアデライン。

女性として美しい時期が永遠に続くのでうらやましいことかと思いきや…。どれだけ愛したり仲良くなった人とも、別れてしまう。自分だけ時が止まるのはものすごく残酷なことなのだろう。本作のアデラインの表情を見れば、その悲しげな雰囲気が伝わってきた。

娘からのすすめもあり、新たな恋にチャンレジするアデライン。まるで祖母のような娘と会話するシーンは違和感満点だ。おばあさんからママと呼ばれるアデライン。恋人を作る決心をしたのだが、相手の父親はかつて恋した人だった。まったく容姿が変わらないアデラインを見て恋人の父親は勘違いする。

常識的に考えるとありえないことだが…。アデラインの娘だと話をして納得してもらう。それでも年齢的に合わないような気がするのだが…。ラストの展開はファンタジーにあふれているがアデラインが望んだ結末なのだろう。

不老はそこまで良いものではない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp