Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼
評価：3
■ヒトコト感想
ケビン・コスナーが有能な実業家であり完璧な殺人者を演じる。実業家のアールは殺人の衝動が抑えられない。常にアールは心の中に別の人格をもち、その人物と会話をしたりもする。アールは家族思いで実業家としては非の打ちどころがない。久しぶりに殺人の衝動が抑えられず、若いカップルを殺してしまう。証拠を残さない完全な殺人かと思いきや…。
アールの完璧ぶりがすさまじい。娘が実は大学で殺人を起こしていたという衝撃の事実がのちにわかるが、それまでは完璧な人生を過ごしていた。殺人現場の向かいのアパートに住むスミスに証拠を握られるのだが、それを完璧にいなしている。ラストの展開もよい。ただ、ラストの衝撃的な展開を夢オチにするのはどうなのだろうか。。
■ストーリー
オレゴン州ポートランドで、頭部に銃弾を浴びた若いカップルの全裸死体が発見された。現場に残されていたのは、被害者の血で捺された指紋。この2年間沈黙を保っていた“指紋の殺人鬼”が再び動き出した……。指紋の殺人鬼の正体は地元のセレブリティとして名高い大物実業家アール・ブルックス(ケビン・コスナー)だった。家族思いの実業家にして、残忍な連続殺人鬼。それまで完璧にコントロールされていたブルックスの二重生活が思わぬミスにより綻び始める。
カップル殺害の一部始終を、向かいのアパートに住むスミス(デイン・クック)に撮影されていたのだ。さらに“指紋の殺人鬼”逮捕に執念を燃やす女性刑事アトウッド(デミ・ムーア)も、着実にブルックスに迫ってきていた。もはや後戻りできないブルックスは、最後の完全犯罪を実行する決意を固めるのだが……。
■感想
アールの落ち着いた雰囲気が良い。スミスに写真をネタに脅されたとしても平然とスミスに相対する。そして、スミスに殺人の瞬間を見せる。アールの完璧具合ばかりが強調されている。スミスは殺人の瞬間を見たいという少し異常な人物だが、アールの完璧具合に少し引いている感じもある。
アールを長年追いかけ続けた刑事であるアトウッドに狙われていることを知り、アトウッドの別れた夫を殺害しようと決意する。ある意味、離婚裁判でもめているアトウッドに容疑をかけるための殺人なのだろうが…。
すべての準備が万全なアールがすさまじい。スミスに対して、だれを殺したいかとリクエストを聞く場面は最高だ。ことあるごとにアールは別の人格と会話をしながら殺人をすすめる。冷静な別人格が良い味をだしている。
娘が大学を辞めて帰ってきた際には、娘に何か大きな秘密があると看破している。娘から妊娠を告げられるのだが、それよりも大きな秘密があるとアドバイスしてくる。娘の大学で殺人事件があり、その容疑者として娘が捜査対象になっていると知るアール。娘も自分と同じように殺人の衝動があることにショックを受ける。
アールの綿密な計画がすばらしい。スミスに殺人を見せるのだが、スミスはその場で失禁してしまう。それまでの連続殺人事件の容疑者としてスミスは部屋に証拠を残してしまった。そこから、スミスはどのような行動にでるのか。アールは死ぬつもりでいたのだが、気が変わりスミスを殺害する。
娘の殺人の後始末、スミスの始末、それらをアールは証拠を残さずに完遂している。このアールの完璧具合が良い。唯一の懸念事項は、娘の殺人衝動が収まるかという部分なのだが…。
ラストは娘に殺されて終わるのが綺麗な終わり方だと思ったのだが…。夢オチなのが残念だ。