AIR/エア


 2023.8.9    エアージョーダンが生まれたきっかけ【AIR/エア】

                     

評価:3.5

■ヒトコト感想
実際にナイキがエアジョーダンを生み出す流れが描かれている。80年代はバスケシューズといえばコンバースとアディダスということに驚いた。有望なNBAの新人に自社のシューズを履かせてプロモーションとするのが当たり前の時代。ナイキのジリ貧なバスケ部門が起死回生の一発としてジョーダンに賭ける。

ジョーダンが実はそこまで評価されていたわけではないことに驚いた。それでも、有望選手なので他社も契約しようと躍起になる。ナイキ内部を説得しジョーダンに賭けることへ意思を統一するのが最初のポイントだ。その後、ジョーダンの母親が強欲までな要求をしてくる。ここまで息子の契約に親が出てくるものか?という驚きがある。

■ストーリー
数々の賞を受賞している監督ベン・アフレックが送る本作「AIR/エア」では、当時まだ世間に知られていなかったマイケル・ジョーダンと、後に“エア ジョーダン”で世界のスポーツと文化に革命を起こすナイキのバスケ部門との、革新的なパートナーシップの誕生秘話が描かれる。

■感想
エアジョーダンの大人気ぶりを考えると、ナイキがジョーダンと契約したのは大成功なのだろう。ただ、当時はそれほど有望ではないジョーダンに対して、その年のバスケ部門の予算を集中させ契約しようとする。ある種の賭けだろう。

その賭けに成功したのが詳細に描かれている。中盤までは担当者のソニーがジョーダン一本化に向けてCEOや上司を説得することからスタートする。誰もが最初は強烈に否定するが、最後にはソニーの説得に折れる形となる。ソニーが不退転の決意と失敗した場合の責任も考えているのが大きいのだろう。

ジョーダンが有望なことに気づくソニーの論理が少し微妙だ。これほどまでにスーパースターとなるとは、当時のソニーも想像していなかったのだろう。その年の有望選手として獲得しようとしただけ。ソニーの熱量がジョーダンの家族に伝わりジョーダンの母親を動かす。

驚きなのは息子の契約に親が主導権を握り、親が契約条件までも指定してくる部分だ。ジョーダンの母親の要求がすさまじくあつかましく感じてしまった。まだ何者でもないジョーダンの将来性として強欲までの要求をしている。

驚きなのは、エアジョーダンが売れた収益の一部はジョーダン側に支払われているらしい。それは母親が当時としては異例の契約を勝ち取ったからだ。ソニーはその要求を母親からされた時に、さすがに無理だと諦めていた。それほどまでに異例の契約ということだ。

最終的にはエアジョーダンはナイキに莫大な利益を与え、ジョーダン家族にもとんでもない額が振り込まれる。世間の仕組みを変えた契約なのかもしれないが、あくまでも結果論だ。

ジョーダンと契約するまでのナイキ内部のゴタゴタは見ものだ。



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