7500


 2022.12.3     緊迫感あふれるコックピット内の物語【7500】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
パリ行きの旅客機をハイジャック犯が襲う。副操縦士目線の本作。旅客機が離陸するまでを細かく描き、そこからハイジャック犯がコックピットにやってくるまでを緊迫感あふれる描き方をしている。普段はコックピットの扉は施錠されており開けることができない。食事をCAが運ぶタイミングでハイジャック犯たちはコックピットに駆け込む。ここでの駆け引きや、犯人たちを排除したあとの管制官とのやりとりがリアルで良い。

ハイジャックされた場合は、決してコックピットを開けてはならない。タイトルの7500というのはハイジャックされたというコードなのだろう。コックピット内部とカメラで映るコックピットの扉前の映像だけで続くが、この緊迫感が良い。

■ストーリー
テロリストの一団が、ベルリン発パリ行きの旅客機をハイジャックしようとする。乗客と乗員の命を救うべく奮闘する、温厚な若いアメリカ人副操縦士。だが思いがけずハイジャッカーの1人と心を通わせていく。

■感想
ハイジャックに襲われた場合のパイロットの動きがリアルに描かれている。ごく普通の旅客機の出発シーンもそれなりに興味深い。ハイジャック犯のひとりがコックピットに入り込み機長を殺害する。副機長ひとりで犯人を制圧し、外にはハイジャック犯たちが扉を開けろと騒ぎ続ける。

ハイジャックされた場合は、決してコックピットを開けてはならない。外では副機長の恋人が人質にとられたりもするのだが…。ハイジャック犯と副機長の駆け引きと、緊迫感あふれるコックピット内の展開が良い。

ハイジャック犯の中でも目的が異なる。飛行機を町に墜落させることを目的とする者。仲間たちに連れられてハイジャックを行ったは良いが、死ぬ決心ができずに戸惑う者。驚きなのは、ハイジャック犯たちの武器が小さなガラス片をナイフのように持つだけという部分だ。

これでは副機長にやられてしまう。副機長が機転をきかせ、機内アナウンスで乗客にハイジャック犯の制圧を依頼したりもする。大量の乗客が一度にハイジャック犯に押し寄せれば、ハイジャック犯はひとたまりもないだろう。

ラストはハイジャック犯たちの仲間割れがあり、無事に空港に着陸するのだが…。そこでも副機長がハイジャック犯に人質にとられてしまう。犯人と副機長の駆け引きが良い。犯人は八方ふさがりとなりどうにもできない。この状態で外部の射撃で犯人が死ぬというのがリアル感がある。

小さなガラス片ではあるが、副機長のクビに突き付けられたナイフのようなガラス片。副機長は何もできず、警察側は長距離から射撃するしかないのだろう。犯人の母親から犯人のスマホに頻繁に電話がかかってくるのがなんとも悲しくなる。

緊迫感あふれるコックピット内の物語だ。



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