2023.2.11 星条旗の軍隊式たたみ方が印象的だ【30年後の同窓会】
30年後の同窓会 [ スティーヴ・カレル ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
ドクとサルとミューラの三人は元海兵隊で30年間連絡をとらなかった関係なのだが…。ドクの息子が戦死したことをきっかけとして偶然再会することになる。それぞれがそれぞれの人生を歩んでいる。ミューラが牧師になっていたりと、昔のおもかげはない。元軍人ということと、戦死した息子を故郷に帰すというのが、ちょっとしたロードムービー的な流れとなっている。
サルの無鉄砲なキャラが、道中でトラブルを引き起こしたりもする。テロリストに疑われたり、30年前の出来事を回想したり。もしかしたら、3人の時間は当時のまま止まっていたのだろうか。わだかまりが解け、当時の仲間の母親に元に向かう。アメリカの元軍人たちの共感を得そうな雰囲気の作品だ。
■ストーリー
妻に先ただれたドクは、戦死した息子を連れ帰る旅に30年間音信不通だった友を誘った。語り合い、時に笑い合いながら続く古い友との旅で、3人の人生が再び動き出す――。男一人酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)と、破天荒だった過去を捨て今は牧師となったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)の元に、30年間音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。
2人にドクは1年前に妻に先立たれたこと、そして2日前に遠い地で息子が戦死したことを2人に打ち明け、亡くなった息子を故郷に連れ帰る旅への同行を依頼する。バージニア州ノーフォークから出発した彼らの旅は、時にテロリストに間違われるほどのトラブルに見舞われながら、故郷のポーツマスへと向かう――。30年前に起きた“ある事件"をきっかけに、大きく人生が変わってしまった3人の男たち。
仲間に起きた悲しい出来事をきっかけに、大きく人生が変わってしまった3人の男たち。仲間に起きた悲しい出来事をきっかけに出た再会の旅。語り合い、笑い合って悩みを打ち明ける旅路で、3人の人生が再び輝き出す。
■感想
何かしらいわくありげな3人が再会する。30年間音信不通だった3人が集合する。それぞれの人生を過ごしてきた3人。ドクは妻に先立たれただけでなく、つい最近息子がバグダットで死亡した。息子の死体を受け取るためにバージニアやってくる3人。
腐れ縁なのでついてきたというような感じのサルとミューラではあるが、ドクの息子が死亡した原因を知り絶句する。アメリカでは当たり前の出来事なのかもしれない。戦いで死んだのではなく、ノートを買いにいった場所で頭を撃たれて死亡した。想定外の状況にショックを受ける3人が印象的だ。
軍の大佐は印象的だ。丁寧な言葉でドクの息子の死を説明する。最初は名誉の戦死と思っていたが、実は犬死だったと息子の同僚から話を聞きショックを受ける。ここから大佐に不信感を抱き、自分たちで息子の死体を家に持って帰ると言ってきかないドク。
ここから3人のロードムービーが始まる。そもそもが大きな棺をもって帰るなんてのは不可能なのだろう。テロリストと間違えられ警察に逮捕されたりと、さんざんな目にあう3人。海兵隊時代の思い出と大きく人生が変わった出来事について話し合う3人が強烈だ。
すさまじいのは、過去の事件の関係者の母親を訪ねる場面だ。母親からすると、単純に息子の元同僚たちが訪ねてきたと思い、息子は死んだが曾孫までいる幸せな生活を語る。これほど幸せに満ちている高齢の老婆に真実を告げるのは…。
3人の微妙な表情がすべてを物語っている。息子の遺体を墓に埋葬する際に、星条旗を独特な巻き方で小さくする。大きな星条旗がまるでセカンドバックくらいにまで小さく畳まれ、持ち運びしやすいようにしっかりとほどけないように畳まれる。軍隊式の畳み方なのだろうか。
アメリカの元軍人たちのリアルなその後なのかもしれない。
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