2067
評価:3
■ヒトコト感想
2067では人類は死滅の危機に瀕している。謎のウィルスに侵される人類。未来へとつながるタイムマシンを開発したクロニコープ社は、未来で人類の希望となるウィルスのワクチンを手に入れようとするのだが…。未来へメッセージを送ると、未来からメッセージが送り返されてくる。それは「イーサンを未来に送れ」というメッセージだった。タイムパラドックスものだ。
未来では何が起きているのか。イーサンは407年後の未来に行くのだが…。そこは緑に囲まれ、人が一切存在しない地球だった。誰が過去にメッセージを送ったのか。イーサンには未来でどのような役割があるのか。未来ではイーサンと思われる死体があることで、ある程度先が想像できてしまった。
■ストーリー
2067年。地球の酸素が急激に減少し、動植物などが死に、謎のウィルスが蔓延。人類は危機的な状態に陥っていた。屋外では人工酸素マスクを通した呼吸しかできず、人工酸素を供給するクロニコープ社が世界を支配していた。先端科学研究所を持つクロニコープ社は、ある日、407年後の未来からあるメッセージを受信する。それは「イーサンを未来に送れ」という内容だった。イーサンはクロニコープ社からの命を受け、またウイルスに侵された妻の命を救うた
■感想
タイムパラドックスものだ。2067年から407年へメッセージを送る。その返信メッセージのとおりにイーサンを未来に送り、そこでワクチンを手に入れて過去に戻り人類を絶滅の危機から救うはずだったのだが…。未来の世界は異様な状態だった。
人類が存在しない世界。そして、自分と全く同じ状態で白骨化している死体。確実に自分の死体と思わしき状態。持ち物も、イーサンが持っている物と全く同じ物をもっている。なぜイーサンの死体があるのか…。
タイムパラドックスものを何度か見たことがある人なら、ある程度結末が想像できてしまうだろう。407年後の未来からメッセージを送り返したのは誰なのか。このシステムは過去のログを映像で見ることができるのがポイントだ。
長い間停止していたとしても、イーサンのDNAが検知されるとシステムは再起動される。となると、答えはひとつしかない。未来へ行く手段はあるが、過去に戻る手段はない。イーサンしかシステムを起動できない。未来にはイーサンの死体があった。となると…。
ネタバレになるのだが、イーサンが未来に行き、そこで過去のメッセージに対して自分で返信していただけだった。結局のところ、夢も希望もない。未来には何もなく、過去からやってきたイーサンがただ回答していただけ。人類はウィルスにより死滅してしまう。
このラストは想像できた流れではあるが、強烈だ。タイムパラドックスの面白さは普通だ。未来に何かがあるのではないか、イーサンを必要とする理由があるのではないかといろいろと想像してしまった。
強烈な物語だ。