1秒先の彼 [ 山下敦弘 ]
評価:3
■ヒトコト感想
どうやら韓国映画のリメイク作品らしい。オリジナルは女性が1秒先に動くタイプで男性が1秒後に動くパターンだ。本作は主人公のハジメがワンテンポ早い生活を行っている。少しミステリアスな雰囲気がある。ネタばれになるのだが、ハジメが常に人よりもワンテンポ早い生活を送っているために、周りと帳尻を合わせるために1日どこかで失うというのは無茶苦茶な設定だ。
ハジメは1日を失い、人よりワンテンポ遅いレイカは1日を得ることになる。序盤でのハジメの日常は非常に面白い。路上ライブの女性に恋をするくだり。レイカは遠くからハジメを見つめるしかない状態。そこから、過去のふたりの出会いと、運命の一日がやってくる。路上ライブの女性はどうなったのかが、最後まで気になった。
■ストーリー
ハジメは京都の生まれ。いつも人よりワンテンポ早く、50m走ではフライング。記念写真を撮るといつもシャッターチャンスを逃してしまい、小学校、中学校、高校の卒業アルバムの写真はことごとく目を閉じている。現在、ハジメは長屋で妹の舞とその彼氏のミツルと3人で暮らしている。ハジメの職場は京都市内にある中賀茂郵便局。彼は高校を卒業して12年間、郵便の配達員だった。ついたあだ名が、『ワイルド・スピード』。
度重なる信号無視とスピード違反で免許停止を食らい、それからは窓口業務だ。ハジメと同じ窓口に座るのは新人局員のエミリと小沢。いつもふたりに「見た目は100点なのに中身が残念」と言われ、ふてくされる日々。レイカも京都の生まれ。日本海に面した漁師町の伊根町で育った。いつも人よりワンテンポ遅く、50m走では笛が鳴ってもなかなか走りださない。現在、彼女は大学7回生の25歳。
アルバイトをいくつも掛け持ちし、学費を払いながらの貧乏生活だ。写真部の部室に住み込み、ひとりぼっちで夜食をとりながら、ラジオを聴いている。ある日、急停車したバスに追突した高校生を看護するハジメの姿をみて、既視感をおぼえたレイカ。郵便局でハジメの窓口にいき、胸の名札『皇』の文字を見つめる。街中で路上ミュージシャン・桜子の歌声に惹かれて恋に落ちるハジメ。
早速、花火大会デートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。“大切な1日”が消えてしまった…!? 秘密を握るのは、毎日郵便局にやってくるレイカらしい。ハジメは街中の写真店で、目を見開いている見覚えのない自分の写真を偶然見つけるが…。
■感想
せっかちで人よりもワンテンポ行動が早いハジメ。せっかちな関西人という感じだ。郵便局で仕事をし、同僚とくだらない話を続ける。ちょっと口が悪いタイプではある。路上でライブをしている女性に恋をしてメロメロになる。
単純にハジメと路上ライブの女性との恋愛物語としてもそれなりに面白い。ハジメがラジオに対して投稿をしてラジオで生電話をしたりもする。そこで彼女との関係を赤裸々に語るというのは、面白要素かもしれない。一方レイカはあこがれのハジメに対して遠くから見るしかない。
路上ライブの女性に、弟の入院費として40万を貸そうとするハジメ。実はそれは詐欺であった。レイカはそのことに気づいてハジメを止めようとするのだが…。ひそかにハジメを見守るレイカはかわいらしい。おっとりとした雰囲気で、ハジメの働く郵便局の窓口にしょっちゅうやってくる。
明らかに路上ライブの女よりもレイカの方がかわいいのだが…。ハジメはレイカの気持ちに気づくことはない。幼少期に二人は出会っており、そのことをきっかけとしてレイカはハジメに恋をしている。
ハジメは路上ライブの女性に40万を渡す日に…。ここからが本作のメインだろう。ハジメは目が覚めると布団の上にいた。デートの日曜日が終わっており、いつの間にか月曜日になっていた。1日を失ったハジメ。ここまでで、観衆は全く意味がわからない。
その後に、怒涛の展開がまっている。ここからレイカ視点での物語がスタートする。ハジメが一日を失い、レイカが一日を得する理論はよくわからない。他の人はどうなるのだろう?という疑問はつきない。
オリジナルも見たくなる。