15時17分、パリ行き


 2023.3.8     前振りが長い3人の男の成長物語【15時17分、パリ行き】

                     
15時17分、パリ行き [ スペンサー・ストーン ]
評価:3

■ヒトコト感想
パリ行きの列車内で発生したテロ事件を防いだ男たちの作品。列車内での銃撃事件を防ぐシリアスな展開を予想していたのだが…。作中のほぼすべてを前振りが占めている。結局は、この3人の男たちを掘り下げるのがメインなのだろう。幼少期に問題児扱いされた黒人の子と、二人の白人の子。この3人が親友となり列車内のテロを防ぐことになる。

それぞれの人生が描かれているのだが、特に軍人になりたいと考える太っちょの男がメインだ。若者が空軍に入るために努力し空軍内部での研修をひたすら続ける。そして、3人でヨーロッパ旅行をしている最中にテロ事件に遭遇する。ラスト10分だけがテロを防ぐ緊迫感にあふれている。それまではほのぼの成長物語だ。

■ストーリー
2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、554名の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったーー。

■感想
実話を元にしているのだろう。3人の男たちが列車内でのテロ事件を防ぐ。シリアスなアクションを想像していたのだが…。いきなり3人の小学生の物語からスタートする。問題児であった3人が親友となる。なにかあるとすぐに反抗するので、すぐに校長室に行けと言われる。

親もしょっちゅう呼び出されており、シングルマザーの家庭だからと嫌味を言われたりもする。ただ、このあたりはメインではない。それぞれ成長し将来何になりたいかを話し合う。白人の子どもふたりは軍人になりたいと切望する。

3人の中でも太った男の子がメインだ。空軍に入りたいと希望するが太っているので無理だと周りから言われる。男はやる気をだしてダイエットとトレーニングをし空軍に合格する。そこから空軍の学校のような場面が続く。

ここで驚きなのは、軍人の学校であるのに、裁縫の授業や試験があるということだ。縫い目が汚いからと落第させられる。パラシュートを縫うだとかそのために必要な技術らしいのだが…。男はそのことを親友に愚痴ったりする。ごく普通の3人の青年の成長物語となっている。

後半からは3人のヨーロッパ旅行の映像が流れる。なんてことない旅を3人が楽しんでいる。これからパリ行きの列車内で何が起こるか。前振りはもうお腹いっぱいな状態となっている。そして、ここでテロが起きるとういのはわかっている。

いざ、そのシーンが始まるのだが、思いのほかあっさりと終わっている。もっと危機がせまり、どうにもならない絶対絶命の危機があるかと思いきや…。死者がひとりもでずあっさりと犯人を拘束している。実話だけに下手にドラマチックにはできないのだろう。

想定外の内容といってもよいだろう。



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