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 2024.7.27      ケネディ暗殺阻止は本当に良いことか? 【11/22/63 下】


                     
11 / 22 / 63 下 文春文庫 / Stephen Edwin King スティーブンキング
評価:3
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■ヒトコト感想
過去へ旅をし、ケネディ暗殺を阻止するためにやってきた男ジェイク。セイディという恋人との関係が大きく変化するのが下巻だ。セイディの元恋人がセイディを襲撃しセイディは大けがをしてしまう。顔に大きな傷ができる重症だった。ジェイク自身は資金を稼ぐために未来の情報を使いボクシング賭博で大勝するが…。賭けの胴元から襲撃されジェイクも大けがを負ってしまう。

満身創痍のふたり。ジェイクはここでセイディにすべてを告白する。そして、本来の目的であるケネディ暗殺を阻止するために動くのだが…。その後の展開が長いのだが、強烈な展開となっている。過去を変えるのが必ずしも正解だとは限らない。結局は何が正しいのかわからないということだ。

■ストーリー
1963年11月22日――11/22/63。ケネディ暗殺を阻止するため、僕は過去への旅に出る。平凡な国語教師ジェイクは死期の迫った友人アルから「1958年にタイムトラベルできる扉」の存在を知らされる。その扉は常に1958年に通じており、「過去」でどんなに長く過ごそうとも、「現在」に戻ればわずか数分しか経過していないという性質をもっていた。アルはジェイクに果たせなかった夢を託す――ケネディ大統領暗殺の阻止。

アルは何度も過去へ旅をし、暗殺阻止を試みてきた。しかし「歴史」は容易な改変を拒み、企ては失敗を繰り返してきた。ジェイクは友人の悲願を引き継ぐことを約束した。ジェイクは「過去」へと旅をして、そこで暮らしながら歴史との戦いを開始した。しかし歴史改変は困難をきわめた。ある悲劇を阻止すれば別の悲劇が発生し、ジェイクは苦悩する。何度も旅を繰り返し、ジェイクは徐々に暗殺の核心へとにじり寄ってゆく――

■感想
序盤でいきなりセイディが元夫に襲撃される。それは無残なもので、セイディは顔に大けがを負ってしまう。過去の技術では顔の修復がうまくいかない。ここでジェイクはセイディに対してもっと技術の進歩した医療で顔を整形することを提案する。

セイディの不幸はジェイクが過去にいたことで起きたのか。それとも、ジェイクは無関係に起きたことなのか。セイディの治療やなんやらで資金が必要となり、ここでジェイクは未来の手帳からボクシングの大金星に大金を賭けることを決断する。

賭けの胴元からボコボコにされるジェイク。大金をせしめた報復ということなのだろう。歩くこともままならない状態のジェイクは、本来の目的であるケネディ暗殺を阻止するために動き出す。ここでセイディにすべてを告白し、セイディの協力の元にオズワルドを襲撃することを考えるのだが…。

ケネディ暗殺をもくろむオズワルドの阻止に成功するジェイク。オチとして実はオズワルド以外がケネディを暗殺していた、なんてことを想像していたのだが、そうはならず、純粋にケネディ暗殺阻止に成功するジェイク。

ケネディ暗殺を阻止してめでたしめでたしかと思われたのだが…。その後の世界はさんざんだった。ケネディ暗殺を阻止したことで、前よりも時代は悪くなった。悲惨な歴史の変遷を聞いたジェイクは絶望を感じる。そして、過去をリセットするために再び過去に向かうジェイク。

ここで皮肉なことにジェイクだけは常に年はとりつづけているので、再びセイディに再開しても、ふたりの年齢差は広がっていた。ジェイクの願いはセイディが元夫からの襲撃を受けないことだった。。。

ラストの展開は良い。



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