2018.11.6 穢れは続くよどこまでも 【残穢 -住んではいけない部屋-】
残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋ー [ 竹内結子 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
どうやら原作小説があるらしいのだが自分は未読だ。心霊現象が起きる事故物件に住む久保さんと、小説家である私が調査する物語。よくあるジャパニーズホラーの雰囲気だ。貞子的な正体不明な黒い人型の霧のようなものがはい出してくる。ある部屋では、天井からの首つり死体の着物の裾がホウキのように畳をいったりきたりする。
基本はこの手の心霊現象で怖がらせるのだが、本作では久保さんと私が心霊現象をたよりにその原因を探ろうとすることにある。マンションの部屋の調査から始まり、マンションが建つ前の平屋の住人。果てはその土地に昔住んでいた人まで。九州にまでその調査を広げ原因を探り出す。何十年も前から、無関係だがその場に住む人にたたるというとんでもない心霊現象だ。
■ストーリー
誰が、なぜ、事件を引き起こしたのか。聞いてしまった奇妙な「音」は、連鎖する不可思議な事件への招待状だった――。小説家である「私」(竹内結子)のもとに、女子大生の久保さん(橋本愛)という読者から、1通の手紙が届く。「今住んでいる部屋で、奇妙な“音"がするんです」好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。
すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。彼らはなぜ、“音"のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。
「私」と久保さんは、作家の平岡芳明(佐々木蔵之介)、心霊マニアの青年・三澤徹夫(坂口健太郎)、そして「私」の夫・直人(滝藤賢一)らの協力を得て、ついに数十年の時を経た、壮大なる戦慄の真相に辿り着く。だがそれは、新たなる事件の序章に過ぎなかった―。すべての事件をつなぐ【穢れ】の正体とは?予定調和を許さない驚愕のラストまで、目が離せない。
■感想
住んでいる部屋で奇妙な音がする。心霊現象に直面した久保さんが小説家の私と共に、現象の元を探ろうとする。その部屋に住んだ過去の人を探すのは当然として、マンションが建つ前の平屋の住人までも調査することになる。
過去にさかのぼり、そこでも同様の心霊現象が起きていないか調べる。過去の新聞記事からそこで起きた事件を割り出し、今の心霊現象と当てはめる。ここまでならわかる。平屋での事件が、その後、その土地に何かしら影響を与えたということなのだろう。
本作がすさまじいのは、事件が起きた理由には実は別の心霊現象が絡んでいたのでは?と考えることだ。代々その土地には奇妙な心霊現象が起きていた。ついには心霊マニアまでも巻き込み、九州にまで調査を広げることになる。
数十年までさかのぼり、そこで何が起きていたのか。不幸な事故から恨みつらみが人へと移り、土地にまでうつる。何十年も前の怨念が、今の、まったく無関係な人にふりかかるのは災難でしかない。ただ、そこに住んでいただけで…。
ラストではこの調査に関わった人たちに、心霊現象が発生し始める。この先は、関わった人たちが死んでいくことを暗示しているようだ。原作小説では、その恐ろしさは表現できてることだろう。映像化されると、どうにもリング的なイメージとなっている。
恐怖の演出についても微妙だ。過去から連綿と続く負の連鎖。出演者は豪華で、低予算B級映画ではないのだが、内容はB級だ。恐怖の元凶についてもありきたりすぎて真から怖くなるようなものではない。
穢れが続くという内容だ。
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