妖怪人間べム


 2018.3.11      なぜ今妖怪人間なのか 【妖怪人間ベム】

                     
妖怪人間ベム [ 亀梨和也 ]
評価:2

■ヒトコト感想
なつかしの妖怪人間ベム。子どものころに再放送を見た覚えがある。かなり恐ろしいアニメだったが、それをなぜ今さら実写化するのか疑問だ。実写化にあたり、主演がジャニーズなので、あのベムの禿げ頭は却下されている。ベムはグレーの長髪姿で影のあるイケメンへと様変わりしている。代わりにベムの浅黒い禿げ頭は謎の男が受けもっている。

基本的にはアニメと似たような流れだ。ベロが人間の女の子と仲良くなるが、自分が妖怪人間であることを知られてしまう。ベム、ベラ、ベロのそれぞれの役はある程度はまり役かもしれない。ただ、ベラ役の杏はもしかしたら女優としての黒歴史になるかもしれない。果たしてジャニーズファン以外には、どの層が本作を見たいのだろうか。

■ストーリー
暗く音のない世界でひとつの細胞から生まれた3つの生き物…それは人間になれなかった『妖怪人間』ベム・ベラ・ベロ。醜い体に正義の心を持つ彼らは、『名前の無い男』との最後の戦いで、人間になるよりも“人間を守って生きていく"事を選び、友人の夏目刑事たちの前から姿を消した。それから・・・。

連続怪事件発生! 新薬開発の背後にある【巨大な陰謀】とは…! ?ベム・ベラ・ベロがたどりついた街で、連続怪事件が発生した。被害者はすべて大手製薬会社・MPL製薬の社員であり、事件現場には巨大な爪跡が残されていた。犯人の正体は?その目的とは何か?事件の謎を追うベムの前に、倒したはずの“名前の無い男"が再び姿を現した…。

■感想
妖怪人間ベムの実写映画化。ジャニーズの亀梨が主役ということで、ベムはイケメンキャラとなっている。ベラは杏が演じているのだが、思いのほかアニメとぴったりだ。ベロはまぁ、良いとして、俳優たちが本作にでるメリットとは何なのだろうか。

大ヒットすると想定しての出演なのか…。どう考えてもプラスにならない作品だと思うのだが…。なぜ今更?という思いと妖怪人間ベムを実写化したとしても、そこまでヒットが見込めるわけではない。ただ、出演者はそれなりに豪華なので、何か見えない力が働いたのだろう。

ストーリーはアニメでのパターンと同じだ。ベムたちは人間のために戦うが、人間たちはベムたちを忌避する。妖怪の姿はグロテスクで、拳銃でハチの巣にされたとしても死ぬことはない。緑の血を流しながら、人間のために戦う。

悪人の主張も一理あるだけに、なんだかなぁ、という感じだ。ベムたちは人間のために戦うが、そのことに気づかない人間たちに排除される。ベムたちのさびしそうな背中が哀愁を誘う。この場面はアニメで腐るほど見たシーンだ。

ベロたちが妖怪に変身すると一気にグロテスク感が強まる。アニメと違いリアルなヌメヌメとした質感というのは、見ていて気持ち悪くなる。妖怪はアニメの方が受入れやすい。リアルな妖怪というのは、いくらジャニーズが主演していたとしても、拒否反応を示す人も多いだろう。

それを見越してか、妖怪にはここぞという時しか変身しない。基本はグレーの長髪をなびかせ、イケメンのベムが正義の戦いを繰り広げていく。ベムたちに理解ある人々や、謎のシルクハットの男など、原作アニメにはない演出はほとんど気にならない。

なぜ今妖怪人間ベムなのか、誰か答えてほしい。



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