妖怪大戦争


 2021.12.11      妖怪大集合の作品だ【妖怪大戦争】

                     
妖怪大戦争 [ 青山良彦 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
タイトルからすると妖怪と人間の戦争かと思いきや…。妖怪と世界を滅ぼそうと考える人間の戦争となっている。主人公は10歳の少年タダシ。加藤率いる悪霊軍団と日本の妖怪軍団の戦いとなる。本作の面白ポイントは聞いたことのある妖怪たちが大量に登場してくる。タダシは最初は右も左もわからない状態であったが、聖なる剣を手に入れてからは加藤と戦うことを決意する。

ぬらりひょんや小豆洗いやぬりかべなどゲゲゲの鬼太郎でおなじみの妖怪が実写として登場してくる。このバラエティ豊かな妖怪たちを見ることが楽しいのだろう。加藤がちょっと帝都大戦的な雰囲気を醸し出し、見た目からして特殊なキャラを作り上げている。ストーリー的にはありきたりな展開だ。

■ストーリー
今年10歳になる稲生タダシは両親の離婚により母の故郷・鳥取で、母と祖父とともに暮らし始める、都会っ子のタダシはクラスメイトともいまひとつ馴染めない。そんな中、日本各地では突然子供が消えたり、恐ろしい化け物が人間を襲う事件が多発していた。黒幕は世界の壊滅を目論む魔人・加藤保憲だった。タダシはひょんなことから世界を守る正義の味方《麒麟送子》となり、日本全国に住む妖怪たちと力を合わせ、加藤率いる悪霊軍団に世紀の戦いを挑む。

■感想
妖怪大集合という感じなのだろう。タダシは鳥取で妖怪大戦争に巻き込まれていく。舞台が鳥取というのは水木しげるが関連しているからだろう。都会っ子のタダシが、正義を守る麒麟送子となる。聖なる剣を使い悪霊たちと対決する。ただ、タダシの周りには妖怪たちのサポートがある。

天狗やぬらりひょんや河童など、割と有名な妖怪から豆腐小僧などのマニアックな妖怪までもが登場してくる。実写として妖怪が登場してくる作品は珍しい。アニメの印象があるのだが、実写は新鮮かもしれない。

加藤は妖怪を利用し悪霊を生み出している。謎のロボのような悪霊が妖怪たちを殲滅していく。CGでのガチガチの映像が続くのだが、タダシが助けたスネコスリというハムスターのような妖怪は明らかにぬいぐるみを人間が動かしているような映像となっている。

このスネコスリは重要なキャラであるはずが妙にチープなのが面白い。それ以外の主要キャラの映像は当時としてはかなりクオリティが高いような気がしたが、妖怪のおどろおどろしさが実写版でもより表現されている。

どうやら続編があるらしい。加藤との対決では、偶然小豆洗いの小豆が、加藤が悪霊を動かす元に入り込んでしまい悪霊の動きがストップしてしまう。加藤は結局、タダシたちに負けたのではなく、小豆洗いの小豆に負けたということなのだろう。

河童の姫がヒロインとしては存在しているのだが、加藤との因縁が多少あるだけでそこまで存在感はない。もっと妖怪たちそれぞれの能力を使い悪霊たちと戦うなんてのもあってよかったのだろう。妖怪好きならば楽しめるかもしれない。

少年タダシの初々しさが良い。



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