欲望のバージニア


 2018.7.27      男気あふれる三兄弟 【欲望のバージニア】

                     
欲望のバージニア [ シャイア・ラブーフ ]
評価:3

■ヒトコト感想
実話をベースとした物語。禁酒法が制定された時代に密城酒をつくりブイブイ言わせていた3兄弟を描く。酒については無法地帯のバージニアでボンデュラン兄弟が暴れまわる。男気にあふれた次男のフォレストがすべてを仕切る。密造酒を黙認する代わりに多大な賄賂を要求する新任取締官のレイクス。その要求を毅然とした態度で拒否するフォレスト。

血なまぐさい争いが繰り広げられる。相手の喉を掻っ切ったり、銃撃を繰り返したり。そんな中で三男のジャックが大きな取引をまとめようとするのだが…。レイクスたちの攻撃は半端ない。勝ち目のない戦いであってもフォレストは屈することがない。本作が実話ということに驚かずにはいられない。

■ストーリー
1931年、バージニア州フランクリン。世界で最も酒の密造が盛んなこの無法の地で、ポンデュラント3兄弟はその名を馳せていた。長男ハワードも従う、男気に溢れた次男のフォレストは手堅いビジネスを続けてきたが、野心家の三男ジャックがギャングとの大きな取引を望む。さらにフォレストが過去のある女マギーに心を奪われ、ジャックが牧師の娘バーサに恋をし、兄弟の力関係に変化が起き始める。

そんな時、新しい取締官レイクスが着任し、高額の賄賂を要求する。まわりが屈するなか、毅然と拒絶するフォレスト。だが、その日を境に、腐敗した権力からの想像を絶する脅迫が次々と突き付けられ、その魔の手は、とうとう兄弟の愛する者たちにかけられる。果たして、愛と誇りをかけた復讐の行方は…! ?

■感想
禁酒法が制定された時代、バージニアでは密造酒が大量生産されていた。密城主ビジネスに手をだしたボンデュラン3兄弟。新任の取締官であるレイクスとのゴタゴタから血なまぐさい抗争へと変化していく。この三兄弟は強烈なインパクトがある。

長男のハワードは頭にきたら自分を制御できず暴れまわる。次男のフォレストは男気があり根性もある。喉を掻っ切られたとしても生き残り、体中に銃弾を浴びせられたとしても、生還してしまう。三男のジャックはいかにも弱弱しい感じだが、後半ではビジネスを切り盛りするようになる。

3兄弟とレイクスの争いはすさまじい。相手は取締官なので表立って手を出すことはできない。レイクスも3兄弟の仲間のことを考え手を出せない。ただ、レイクスもまた強烈な個性がある。髪をポマードでべったりと頭になでつけ、おかまのような物腰ではあるが、スイッチが入ると相手をボコボコにする。

レイクスと3兄弟は、特にジャックがひとりの時を狙って攻撃したりといやらしい行動をとる。賄賂が飛び交う世界。そして圧倒的な暴力。これらが実話ということには驚かずにはいられない。

次男のフォレストのかっこよさが際立っている。マギーが惚れるのもよくわかる。たくましく男気があり、頼りがいもある。そして不死身とくれば誰もが憧れる存在だろう。一連の抗争はレイクスの死と禁酒法がなくなるとあっさりと終わってしまう。

密造酒の価値がなくなると、3兄弟は農場を営んだりもする。そこでは、激しい戦いもなくのんびりとした日常があるだけ。ただ、ここであの不死身のフォレストがあっさりと肺炎で死んでしまうあたりが皮肉に満ちている。

フォレストのかっこよさが際立っている。



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