2021.8.7 人間の肉塊を利用しロボを作るAI【ヴァイラス】
評価:3
■ヒトコト感想
ロシアの最新兵器が搭載された戦艦の上に、宇宙から謎の電磁波が降り注ぐ。この電磁波が実はエイリアン的な存在であり、船をのっとり人類を滅亡させようと考えている。そうとは知らず、偶然近づいた船はロシアの戦艦を奪い取ろうとする。強烈なのは、宇宙から降り注いだ電波がまるでエイリアンのように船をのっとり、乗組員を殺害し、そして自分たちでロボを作り船を制御している部分だ。
あげくの果てには、乗組員の死体の一部を利用し、まるでサイボーグのような半分人間のロボを作る場面だ。肉塊をパーツとして使い、ロボとする。ロシアの戦艦の船長は、ロボとなり襲いかかってくる。このエイリアンを倒すためには船ごと爆破するしかないという困難な状況だ。
■ストーリー
宇宙から届いた有害電磁波により人類滅亡の危機に陥れられる恐怖を描いたSFホラー。ジェイミー・リー・カーチス、ウィリアム・イボールドウィンほか出演。
■感想
宇宙船内に異生物が入り込んだのが映画のエイリアンとすれば、本作は戦艦に宇宙から電磁波が降り注ぎ、エイリアンに乗っ取られるという流れだ。序盤では何も知らない他の船員たちが、無人のロシアの戦艦に乗り込み、不思議な状況に面食らう。
電子機器を乗っ取るエイリアンなので、電源がないと動くことができない。船員たちが戦艦の電源を入れてしまったことで、エイリアンたちが動き出す。まさにAIに支配された世界のシミュレーションのような感じだ。戦艦内部では、エイリアンが自分の手足となるロボを自作している。
驚きなのは、戦艦の乗組員たちは皆毒ガスで殺されているのだが、その死体をロボのパーツとして利用しているということだ。生きていたころの脳もそのまま利用している。そのため、戦艦内部には半分人間のようなサイボーグがうごめいている。
恐ろしいのは肉体を中途半端に使っているため、血みどろの裸の体にロボの手足が生えているような感じだ。それでいて顔はそのまま人間の顔となっている。明らかに人間が拒否感を覚える映像だ。エイリアンを倒すのは戦艦を沈めるしかない。
幸運なことは、エイリアンが入り込んだのが戦艦だということだ。これがもし地上の施設であれば、電波を通じて世界へエイリアンが蔓延し人類は滅亡してしまうだろう。かなり昔の作品ではあるが、まるでAIに支配された未来が予測されるような雰囲気だ。
コンピュータが自分で自分を守るための兵士を作り上げる。電子的な制御はエイリアンが抑えてはいるが、物理的にもロボたちにより制御される。となると、人類の抵抗手段としては船ごと沈めるしかない。
昔の作品だが、妙な恐ろしさがある。
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