2018.3.19 異常な追撃者の恐怖 【追撃者】
[DVD] 追撃者
評価:3.5
■ヒトコト感想
大富豪のマデックがトレッキングガイドのベンを引き連れ砂漠で狩りを行う。狩りの場で、マデックが誤って人を殺してしまったことから、マデックによるベンに対する狩りが始まる。砂漠を知り尽くしたベンをあえて逃がす。ベンが沙漠の熱に耐えきれなくなるのを待つかのように、ジワジワと追い詰めていく。
ベンが様々なアイデアでマデックから逃げ出そうとするのだが、マデックは追いかけてくる。ボロボロのベンと対照的に快適な環境でカクテルを飲んだりするマデック。この対比が憎いほどに効果的だ。タイトルの追撃者というのはマデックのことなのだろう。追われるベンの起死回生の何かがあるのをワクワクしながら見る作品だ。
■ストーリー
エドガー・アラン・ポー賞を受賞した「マデックの罠」をマイケル・ダグラス主演で映画化。トレッキングガイドのベンは、大富豪・マデックのガイドを引き受ける。マデックが誤って探鉱者を撃ち殺してしまい、ベンは通報しようとするが…。
■感想
砂漠のど真ん中で身ぐるみはがされ放り出されるベン。対してマデックはデカいSUVに乗り、豊富な水と食料と酒を持ちベンを追い詰める。いつでもベンを殺せる状態でありながら、その後の捜査のことを考えて、決して直接手を下そうとしない。
ベンが誰よりも砂漠を熟知しており、あらゆる抜け道や逆転の何かを探しながら、マデックに気づかれないように逃げ回る。ベンがマデックを出し抜く場面が何度かある。マデックの一瞬の隙をついて砂漠の中の洞穴に逃げ込んだり。それでも、最終的にはマデックに気づかれてしまう。
強烈なのはマデックの異常性だ。ベンが追い詰められているのを知りながらジワジワとなぶり殺しにする。砂漠の洞穴からダイナマイトを手に入れると、それをベンに投げつけたりもする。最初はベンがのたれ死ぬのを待っていたはずが、いつの間にかマデック自身で始末しようとエスカレートしている。
全身がやけどで水膨れになった状態でありながら、何度も絶体絶命のピンチに陥りながら、脱出してしまうベン。マデックが「不死身か!」と叫ぶのも良くわかる。
終盤では、この砂漠の追走劇は終了する。物語としては終わったかに思われたが、まだ物語は続いていく。マデックは大富豪の力をこれでもかと誇示し活用することで警察に捕まることなく逃げ切ってしまう。そして、逃げ切ったマデックが次にとる行動とは…。
人生の敗者であるはずのベンと勝者であるはずのマデック。それが沙漠の出来事により入れ替わったはずが…。最後の最後には、マデックは追撃を諦めていないことがわかる。このマデックの恐ろしいまでの執念が、観衆に恐怖を伝えることになる。
追撃者の恐ろしさはかなり特殊だ。
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