翔んで埼玉


 2020.4.11      心の広い埼玉県人【翔んで埼玉】

                     
翔んで埼玉 通常版 [ 二階堂ふみ ]
評価:3

■ヒトコト感想
埼玉をおもいっきりディスってる作品ではあるが、主役は埼玉だ。埼玉の自虐と言えなくもないが、本作の面白ポイントを地方の人が理解できるかは微妙だ。関東の地名が立て続けにでてくる。位置関係を把握していないと面白さがわからないだろう。埼玉県人が池袋で遊ぶなんてのは関東あるあるだ。後半では埼玉と千葉の争いとなる。このあたり、どちらが関東ナンバー2かを争う定番だ。

埼玉や千葉以外にも、群馬が未開の地だったり。極端なディスり具合が面白さを生んでいるのだろう。埼玉と千葉の有名人合戦では、インパクトある有名人もあれば、イマイチな有名人もいる。東京に埼玉県人が入り込むと、不法入国者として逮捕されてしまうのは最高かもしれない。

■ストーリー
埼玉県の農道を1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める。その昔、埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受けていた。通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた…!

■感想
埼玉にまつわる都市伝説。埼玉県民は東京からとんでもなくひどい扱いを受けている。通行手形がないと東京に出入りができない。都会の香り漂う地域に住むものとして、ランク付けされてしまう。港区は都会、横浜などはその次、江戸川区などはさらにランクが下がる。

その極めつけは埼玉ということになる。埼玉出身者はあからさまにボロボロの服を着て、方言まるだしの不細工な者たち。この大げさまでの演出が物語を面白いものにしている。埼玉からクレームがこないかと心配になるほどだ。

埼玉を開放するための救世主が現れた。東京内部に入り込み、都知事の座を狙う。すべてがぶっ飛んでいるので、もはやなんでもありな状態となっている。埼玉へ戻る際にも、茨城に入りそこから埼玉を目指すことになる。道中はまるで戦国時代のように荒れ果てた道をいく行く。

東京、神奈川とその他の県の違いがすさまじすぎる。埼玉に対するディスりは続き、中盤では千葉が登場してくる。関東の永遠のライバルといえる2つの県が対決する。それはまるで関ケ原の合戦のような雰囲気すらある。

登場人物たちはまるでベルサイユの薔薇や宝塚的な雰囲気となっている。この特異な見た目と強烈な埼玉のディスりから、すべてが受け入れられるのだろう。本作がもしくそ真面目に埼玉のダメな部分を描いていたら埼玉からクレームがくるのは間違いない。

エンドロールでは塙が埼玉に対する歌を歌っている。佐賀県でブレイクした雰囲気そのままに埼玉をディスる。これが最高に面白い。改めて埼玉というのはろくな観光地がなく、名物も特にない。住みにくい街としてもランキングされていたことには驚いた。

本作を許せるくらいなので、埼玉県人は心が広いのだろう。



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