特捜部D 檻の中の女


 2020.4.16      女を監禁しペンチで歯を抜かせる【特捜部D 檻の中の女】

                     
特捜部Q 檻の中の女 [ ニコライ・リー・コス ]
評価:3

■ヒトコト感想
敏腕刑事のカールが部下を危険な目にあわせたということで、新部署の「特捜部Q」へと異動させられる。俗にいういうへ閑職へ異動させられるパターンだが、この特捜部Qが曲者だ。終わった事件を扱う部署というのは、日本のドラマでいうところの時効警察やTRICKのような感じなのだろう。カールと助手のアサドは行方不明となったミレーデを探し出そうとする。

船上からの投身自殺で終わらされた事件。事件の全容は早いうちに明らかとなるが、カールとアサドがどの段階でそこにたどり着くかがポイントだろう。すでに終わった事件を捜査するので、各所からさまざまな圧力がかかる。強烈なのは、ミレーデが監禁されており、その監禁のすさまじさが本作のすべてだろう。

■ストーリー
5年前の失踪事件に隠された身も凍る事実―そして、その結末は?殺人課の敏腕刑事カール・マーク。ある事件で部下を失い重傷を負った彼は、復職後に新部署「特捜部Q」への転属を命じられる。“終わった"と判断された捜査報告書の整理が新たな仕事となったが、それらの資料の中には5年前に話題となった美人議員ミレーデ・ルンゴー失踪事件の捜査ファイルも含まれていた。

ミレーデは弟との船旅の途中で行方不明となり、その後も何も発見されないまま“船上からの投身自殺"と結論づけられていた。だが、その捜査結果にあらためて違和感を持ったカールは、助手のアサドとともに共に調査を開始する。そして、次々と明らかになる新事実により「彼女は自殺などしていない、事件に巻き込まれたのだ。」という確信が導きだされていく。 果たして、彼女は殺されたのか?それとも―?

■感想
ミレーデは船上で自殺したと思われていた。カールとアサドの調査で自殺はありえないという結論となる。カールとアサドは閑職に追いやられながらも、独自の動きをする。カールは部下を危険な目に合わせたということで飛ばされたのだが、能力はすこぶる高いのだろう。

カールとアサドの捜査と並行して、ミレーデがどのような状況にあったかが語られている。これが強烈だ。正体不明の人物に監禁される。その場所は徐々に気圧をあげられ、中に監禁されているミレーデはだんだんと弱っていく。

ミレーデの過酷な監禁生活が本作の最もインパクトのある場面だ。歯が痛くなったミレーデに対して謎の人物はペンチを差し出す。ペンチを使い自分で歯を抜けということらしい。すさまじい形相でペンチを使い歯を抜こうとするミレーデ。

なぜこれほどまでにミレーデを追い込むのか。ミレーデを監禁した人物とは…。後半からは真犯人について語られている。これがかなりの異常者なため、なぜミレーデを監禁したかについては、常人では理解できないだろう。とてつもない犯人だ。

本作はどうやらシリーズ化されているらしい。ミレーデを追い詰めた犯人はカールとアサドにより逮捕される。犯人の監禁するための機器がすさまじい。また、回想形式でなぜ監禁にいたったかも語られている。幼いころのトラウマがそのままミレーデへの恨みへと変わっていったのか。

ミレーデからすると、ただのとばっちりでしかない。強烈なインパクトはないのだが、シリーズとしてのキャラ付けがされているのは間違いない。今後、続けてこのシリーズを見ていくことだろう。

かなり攻めた作品であることは間違いない。



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