チリ33人 希望の軌跡


 2019.2.3      閉じ込められた鉱山の中でIPad 【チリ33人 希望の軌跡】
                     
チリ33人 希望の軌跡/アントニオ・バンデラス
評価:3

■ヒトコト感想
チリの鉱山で実際に起こった事件の映画化。自分自身もリアルタイムに見ていた事件なので、鉱山に取り残された者たちの実情を知ると、とてつもなく強烈な状況だったというのがよくわかる。最初のドリルが鉱山の中に到達するまで、3日分の食料と水で8日間以上も粘りつづけたこと。さらには、ドリルが到達してから実際に救出されるまでさらに時間がかかっている。

当然ながら食料や水はドリルで開けた穴から鉱山の中に送り届けることができる。食べ物だけでなく服やIPadまでもが届けられている。しまいには地上とテレビ電話ができる設備まで整えたりもする。至れりつくせりだが、いつ崩落するかという恐怖は常に付きまとうことになる。

■ストーリー
2010年、チリで33人の作業員が鉱山の落盤によって地中深くに取り残された。それから69日もの間、世界中の人々と作業員の家族が一縷の希望に懸け見守っていた一方で、彼らを救うべく昼夜を問わず奔走する救出チームがいた。地下200階の深さの息苦しさと暑さのなかで、事態は緊迫し、食糧と時間だけが尽きていった。

■感想
チリの鉱山に閉じ込められた33人の男たち。絶望的な状況から、希望を捨てることなく生き続ける。序盤は少ない食料と水をどれだけ長持ちさせるかという苦労が描かれている。少ない食べ物を皆が取り合うことなく決められた量を守りながら静かに食事をする。

ラテン系の雰囲気であれば、その日にすべてを食べつくしたりするのでは?なんて思ってしまった。33人の男たちはリーダーの元で一致団結している。食べ物で殺しあうなんてこともなく、淡々と生きるために辛抱強く待ち続ける。

国をあげての救出作戦となっている。最初のドリルが鉱山の内部に到達したときのはしゃぎっぷりはすさまじい。ただ、ドリルが到達したからといってすぐに救出できるわけではない。人が通れるだけの大きさの穴を開けなければならない。

これが無茶苦茶時間がかかるようで、この間に世界中にチリの鉱山に取り残された男たちの情報が伝わることになる。ただ、食べ物や水、さらには趣向品までもが地上から鉱山の奥深くに送られることになる。鉱山の中ではみなIPadで音楽を聞きながらリラックスしているようにすら見えた。

閉じ込められてから60日以上経過してもまだ救出されない。鉱山の中では生活できてはいるが、いつ崩れるかわからない恐怖はある。地上で待ち続ける家族たちは気が気ではないだろう。このあたりは世界中にリアルタイムに放送されているで、それなりにインパクトのある流れとなっている。

ラストの救出の場面では、ちょっとしたアクシデントがありハラハラドキドキとするのだが、それでも33人すべてが無事に救出されるというのは奇跡でしかないのだろう。

実話をもとにしているからこそ面白い。



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