2020.3.10 死体の痕跡を消す専門業者【ザ・クリーナー 消された殺人】
ザ・クリーナー 消された殺人
評価:3
■ヒトコト感想
トムの職業は犯罪や事故現場などの清掃だ。人が殺されたあとの血のりをきれいさっぱり痕跡をなくす。独自の化学薬品を使用し何も痕跡を残さない。誰もがやりたくない仕事に従事するトム。元刑事としてのコネを使い、殺人現場の清掃を得意とする。
そんなトムに、ノーカット家の清掃の依頼がきた。そこにいく行くと、ソファーの上で殺害されたような痕跡が残っていた。トムは独自の薬品を使い、綺麗さっぱり痕跡を消すのだが…。実はそんな依頼は誰もしておらず、ノーカット家の奥さんは夫が行方不明になったことを不審に思っていた。明らかにトムは誰かにはめられたことになる。トムの力で殺人の痕跡を消し、殺人犯はノウノウと過ごしている。上質なミステリーとなっている。
■ストーリー
元警官のトムの職業は、犯罪や事故現場の血痕などを取り除く特殊な清掃請負業。ある日、いつものように大邸宅の殺人現場の痕跡を完璧に除去するが、その清掃の依頼主は、なんと架空の人物だった。そして、邸宅の主・名士のジョン・ノーカットが行方不明と報道される。市警察汚職収賄事件を巡る陰謀の影がちらつくなか、ついにはトム自身が殺人の容疑をかけられる。真相を探る彼の前に暗い口を開けるのは、自らの警官時代の消し去れぬ過去‥。誰が殺したのか?そして、誰がトムをはめたのか?
■感想
トムの清掃作業は強烈だ。血が固まったカーペットを掃除する場合は、カーペットごと切り取ってしまう。当然、作業をするトムは全身防護服のようなものを着る。まるで放射能汚染された場所で作業をするようなかっこうだ。匂いや病原菌の危険性もあるのだろう。
何より、その場所で生活する人にとって、カーペットに血の跡が残っていたら、嫌な記憶を忘れることができない。誰もがやりたくない仕事をトムは文句ひとつ言わずやり続ける。それはシングルファーザーであり、ひとり娘のためでもあるのだろう。
トムはノーカット家のジョンが行方不明になったことを調べないわけにはいかなくなる。自分が殺人の証拠を消してしまったためだ。このまま詳細に捜査が続けば、トムの特殊な薬品の痕跡がでてきて、すぐさまトムが最有力の容疑者となってしまう。
トムは元刑事としてのコネをフル活用するのだが…。ノーカット家の奥さんと事件の調査を続ける。誰がウソをついているのか。元同僚たちの誰かがトムをはめたのか。それとも、トム自身が無意識のうちにジョンを殺害してしまったのか…。
ラストの展開はかなり意外だ。ノーカット家の奥さんが誰と知り合いだったのか。そこからトムはヒントを見つけ出し、不倫関係の事件だと推理する。ラストの展開はトムの家で決着がつく。そして、トムの家で発生した死体を誰が清掃するのか…。
犯罪現場での清掃作業というのは何回見てもよいものではない。ドロリと固まった血。そして、画面からにじみでてくるようなにおい。透明なカーテンのようなものを入口に付ける時点で、何かとんでもない作業を中でしているのかという仰々しいものを感じてしまう。
新しいタイプのミステリーだ。
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