種まく旅人 みのりの茶


 2021.5.22      裸の大将的に最後に正体が明かされる【種まく旅人 みのりの茶】

                     
種まく旅人 みのりの茶
評価:3

■ヒトコト感想
権力ある者が身分を隠して地元の農家の手伝いをする。役場の担当者とも気さくに話をする。身分を隠して地元の人たちに貢献し、あとになって正体がバレるというパターンはよくある。主人公の金次郎の行動は、どこか裸の大将的なイメージがある。農林水産省の役人である金次郎が大分の役場の農政局長となる。

身分を隠して地元のお茶農家の手伝いをする。お茶農家の主人の修造が倒れたため、孫のみのりがお茶を育てるのだが、素人には難しい。そこに金次郎が助けにやってくる。有機農業の難しさと、お茶をおいしく作るために必要な作業がいかに大変かが語られている。ラストでは金次郎がお偉いさんと共に登場する。みのりたちの驚く場面は最高だ。

■ストーリー
農林水産省官房企画官という身分を隠しながら、日本各地の農家の本音を聞いて回る大宮金次郎(陣内孝則)。そんな彼に大分県臼杵市役所の農政局長として、省が開発した農薬を普及させよとの辞令が下る。着任早々、無農薬栽培に切り替えた旧知のお茶農家の主人・森川修造(柄本明)と農業話で盛り上がるが、その翌日に彼が心臓発作で入院。孫娘みのり(田中麗奈)が修造の代わりを努めようとするが、農業のノウハウなど何も知らずに途方にくれる。そこへ金次郎が現われ、さまざまな面で彼女をサポートしていく。

■感想
地方の農業の後継者問題や、何をやるにも予算がないだとか、有機農業の大変さなどが語られている。主人公である大宮金次郎は、日本各地の農家の本音を聞き、農業を改革しようと考えている。農水省のキャリア官僚でありながら泥まみれになり野菜を育てる。

型破りな金次郎の行動により、金次郎自身が大分に飛ばされることになる。金次郎のキャラクターが本作の面白さのポイントだろう。偉ぶることなく、身分を隠して農家の手伝いをする。役場の下っ端職員から邪魔者扱いされたりもする。

金ちゃんと親しまれ、修造が倒れた後のお茶農家を助けている。素人のみのりをサポートしながら地元のおばちゃんたちとも気さくに話をする。後継者である息子は都会にでて、孫のみのりが農家の手伝いをしている。有機農業を行っているため、虫がわいたりと苦労している。

役場の担当者も有機農業に理解はあるが、借金返済などを考え複雑な思いがある。金ちゃんと役場担当者とみのりの三人で強力しながらお茶を育てる。おいしいお茶を作るためには様々な工程を経て、長年の経験が必要だということがよくわかる。

ラストは、修造が復帰しみのりも自分の道を見つけることになる。金次郎はそこで姿を消す。その後、大分の農家を表彰する場があり、そこで表彰状を授与するのは金次郎だった。驚きの表情で見つめるみのりと役場の担当者。この場面が最高だ。

身分を明かさずにサラリといなくなるあたり、裸の大将的なイメージがある。金次郎のキャラも純粋で気持ちの良いタイプというのもあるのだろう。過去に金だけを目的として仕事をしていた贖罪の意味もあるのだろう。

登場人物は変わるが、シリーズ化されているようだ。



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