タクシー運転手 約束は海を越えて


 2020.8.2      実話をもとにした感動物語【タクシー運転手 約束は海を越えて】

                     
タクシー運転手 約束は海を越えて
評価:3.5

■ヒトコト感想
韓国映画。光州で実際に起きた市民のデモ隊と警察組織の衝突を描いている。光州の出来事につてはまったく知らなかった。通行禁止とされ封鎖された光州にドイツ人ジャーナリストのピーターは入り込んで、世界に真実を伝えようとする。その際の移動手段としてマンソプのタクシーを使うことに…。デモ隊と軍や警察が衝突する最中にタクシーで入り込むのは危険が伴う。

軍としても外国人に報道されることを避けたいため、ピーターを捕まえようと必死になる。マンソプとピーターの友情。そして、光州で世話になった地元のタクシー会社の社員や大学生たちとの交流。罪のない市民が軍に虐殺される場面は衝撃的だ。危険を顧みずピーターのためにタクシーを走らせるマンソプ。これは必ず感動する流れだ。

■ストーリー
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう"というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

■感想
マンソプは家賃を滞納するほど金がない。11歳の娘と二人暮らしだが、タクシー運転手としては苦労しているのがうかがえる。大金が手に入るという情報を得たマンソプはピーターを乗せて光州へと向かう。高速道路は通行止めされており、裏道を強引に抜けるしかない。

この時点で光州へ入り込む危険度は高い。軍が車で道をふさいでいたりもする。最初は渋っていたマンソプも、いつのまにかピーターに協力して光州を目指すことになる。最初は金目当てであったマンソプがいつの間にか友情でピーターを助けようとする。

衝撃的なのは光州の状況だ。デモ隊に対して躊躇なく銃撃する軍。ピーターはそれを余すことなくフィルムに収めている。軍としては外国人に光州の状況を知られ、世界へ放送されることは避けたい。そのため、ピーターを執拗に探し続ける。

軍は容赦ない。市民からはピーターの存在は希望となる。最初はデモに否定的であったマンソプだが、いつのまにか光州市民に共感し、軍に対して反抗しようとする。自分の安全を考えるなら、ピーターを光州に置いてすぐにソウルに帰るべきだ。それをしないのはピーターや光州の仲間たちへの友情のためだ。

光州のタクシー会社の仲間たちは強烈だ。マンソプとピーターをソウルに帰すために、軍の車をタクシーで妨害したりもする。光州の市民やタクシー会社の仲間たちとの友情は強烈だ。デモ活動をする大学生と仲良くなるが、その大学生が私服の軍に捕らえられてしまう。

軍の横暴と、ひたすら仲間を助けようと奮闘する地元タクシーの運転手たち。マンソプはそんな中で、仲間を助けながら自分の役目を果たそうとする。途中から、ピーターから金をうけとろうとしなくなるマンソプ。最後にもピーターに対して偽名を告げていなくなる。

ピーターとマンソプの友情が実話ということに驚いた。



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