鷹の爪8 吉田くんのXファイル


 2018.3.18      パロディの元ネタを知っていれば 【鷹の爪8 吉田くんのXファイル】

                     
劇場版アニメーション「鷹の爪8 吉田くんのX(バッテン)ファイル」 [ 森川葵 ]
評価:3

■ヒトコト感想
鷹の爪団はあの東宝シネマズで登場してきたおなじみのキャラクターたちだ。すでに映画化は何本もされているようで、本作は第8弾らしい。本作では鷹の爪団のメインキャラクターのひとりである吉田くんが主役となる物語だ。その他の鷹の爪団のキャラは活躍しない。

吉田くんが島根で巻き起こす騒動。呪いのビデオが発端で、未来からXファイルをパロディとしたキャラクターたちがやってくる。基本はパロディ全開で、元ネタを知らなければ楽しめないというのもある。人気プロレスラーが本人役で登場したり、流行ものを取り入れたりと、観衆を楽しませる要素は多数ある。正直シリーズを見たことがなくとも、これはこれで楽しめるだろう。

■ストーリー
20世紀、島根県・吉田村。秘密基地で遊んでいた地元の小学生・吉田くんと仲間たちのもとに、未来からタイムトラベルで世界連邦捜査局・X(エックス)捜査課のモレルダー&ナスカリー捜査官がやってきた。彼らはともに、未来で怪事件を発生させているという「呪いのビデオ」の捜索を始める。

しかし、その行く手にはUMA(未確認生物)、オーパーツ、超常現象など、思わず寄り道したくなる摩訶不思議な出来事が次々に出現! 果たして吉田くんたちの大冒険の結末や如何に……?

■感想
鷹の爪団の作品は何作か見たことがある。今回は鷹の爪団というよりは、吉田くんの物語といってよいだろう。あの飄々としたキャラでヘンテコな言葉を紡ぐ吉田くん。たまに正論を言うが、基本はくそまじめなボケ役で、周りの友達がすかさずツッコミを入れる流れだ。

吉田くんの友達は、スト2のリュウのようなキャラや、真面目メガネのコンピュータオタクや、出木杉くんとスネオを足して2で割ったような狂言回し役など盛りだくさんだ。気の強いヒロインもあり、ある程度定番的流れとなっている。

吉田くんが持つ呪いのビデオをめぐり、未来からモレルダーとナスカリーがやってくる。吉田くんたちとモレルダーたちのやりとりもまた面白い。さらには、呪いのビデオを手にいれようとするエイリアンたちの存在があり、チュパカブラが登場したりとカオス化している。

登場してくるそれぞれの小ネタの元ネタを知らないと楽しめないだろう。チュパカブラなんてのも知らなければ、楽しくない。ロズウェル事件だったり、Xファイルも知らなければ意味がない。

そう考えると、楽しむためにはそれなりにハードルが高いような気もするが…。とりあえず自分としては出てくる小ネタはほとんどわかったので楽しめた。独特な絵柄と、ほとんどひとりの声優が演じたいつもの流れ。下ネタなしでくだらない笑いを提供してくれる。

キャラクターたちがヘンテコではあるが、それがいつの間にか当たり前に感じてしまう強引さもある。鷹の爪団を知らない人でも元ネタを知っていれば十分楽しめるだろう。惜しいのは博士や菩薩峠くんなどがほとんど登場しないことだろうか。

製作者と自分が同世代なので楽しめたというのはあるのだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp