守護教師


 2021.12.2      見た目ヤクザな体育教師【守護教師】

                     
守護教師 [ マ・ドンソク ]
評価:3

■ヒトコト感想
暴力行為でボクシングのコーチをクビになった元チャンピオンのギチョル。ギチョルの見た目は見るからにヤクザだ。そんなギチョルが女子高の体育教師として赴任する。その高校では、行方不明の同級生を必死に探すユジンがいた。

なし崩し的にギチョルも同級生を探すこととなり、ボクシング時代の後輩の警察に口をきいたりもする。市長に立候補している理事長やイケメン美術教師など癖のある登場人物の中で、ユジンただひとりが必死になり同級生を探し続けている。明らかに何らかの犯罪をにおわす流れとなる。ユジンのピンチにはギチョルが助けにくる。ヤクザ風の見た目にたがわぬ強さを見せるギチョル。チンピラをボコボコに殴るシーンでは、どちらが悪者かわからなくなる。

■ストーリー
かつてボクシングのチャンピオンだったギチョルは、暴力沙汰によりコーチの職を失ってしまう。そんなギチョルが新たに見つけた仕事は、女子高の体育教師だった。しかし、それまで男ばかりの世界で過ごしてきたギチョルは、女生徒たちに囲まれて戸惑うばかり。なんとか学校に馴染もうとする中、不登校中の同級生の行方を探すユジンと出会う。その生徒は、家にも帰らずに忽然と姿を消してしまったのだという。

他の教師はだだの家出だと取り合わず、警察は口ばかりで全く捜査も進展しない。まるで、意図的に行方を探していないかのように。ギチョルがこの町の不穏な空気を感じる中、今度はユジンが何者かに襲われる。ギチョルは、ユジンに代わり生徒の行方を探そうとするが―。

■感想
暴力事件を起こしてコーチをクビになったギチョルが新たに見つけた仕事は女子高の体育教師だった。きゃぴきゃぴした女子高の中で、ヤクザな風貌の体育教師は浮いている。生徒たちに煙たがられながら、生徒たちから月謝を集めたりもする。

生徒の中でひとり浮いたような存在のユジンを見つけ、必死に行方不明の生徒を探していると知る。ここでギチョルはなぜかユジンと出会うことが多くなり、チンピラに連れ去られそうになったユジンを助けたりもする。

行方不明の生徒を探すことに警察はまったく動こうとしない。しびれを切らしたユジンは自分で動き出すのだが…。ギチョルは何もでしゃばらなければ学校に居続けることができたのだが、余計なおせっかいをしたことで、理事長からクビを言い渡される。

実はギチョルが学校に勤務できたのは、親戚が学校に寄付をしていたからだと知る。このあたり、普通の感覚ではない韓国の慣習なのだろう。ギチョルの複雑な思いは苦み走ったギチョルの表情から伝わってくる。

行方不明の生徒は殺されていた。ユジンにも魔の手が迫る。最初から怪しい動きをしていた理事長たちがすべての鍵を握っていた。市長選を控え、波風を立てたくない理事長。学校から犯罪者がでることなどもってのほか。

警察にも圧力をかけていたというのがわかる。すべてが腐っている汚職まみれの街で、ひとりギチョルだけが必死に動き出す。ラストのギチョルの行動はすさまじい。理事長が乗る車の窓ガラスを拳で割り、そのまま理事長を殴りつけるかと思いきや…。

ギチョルのヤクザの風貌が、ラストでは愛らしく見えてくるから不思議だ。



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