謝罪の王様


 2019.1.14      どんな怒りも抑える謝罪 【謝罪の王様】
                     
謝罪の王様【Blu-ray】 [ 阿部サダヲ ]
評価:3

■ヒトコト感想
強烈なコメディだ。ここ最近、謝罪の仕方でその後の状況が大きく変わるのは周知のとおり。なんでもかんでも謝罪に追い込まれる現状を揶揄するように、謝罪専門家を題材とした物語だ。状況におおじて謝罪には様々なテクニックが必要となる。一歩間違えると、その後の炎上がすさまじいことになる。別に芸能人に限らず一般人にとっても謝罪は重要なのだろう。

どのタイミングでどんな謝罪をするのか。謝罪もシンプルに土下座をするだけでなく、謝罪相手の状況に合わせた謝罪をする必要がある。文化が変われば謝罪方法も変わる。土下座が侮辱行為にあたる国に対しては、どのような謝罪をすればよいのか。あまりにバカバカしすぎるオチもよい。

■ストーリー
宮藤官九郎脚本、水田伸生監督、阿部サダヲ主演による爆笑コメディ。謝罪師を生業とする黒島譲が、ひと癖もふた癖もある依頼人から舞い込む大小様々なトラブルを、謝罪のテクニックを駆使して解決していく。

■感想
謝罪をするのは難しい。一つ間違えると謝罪してもより事態を悪化させる場合もある。謝罪のタイミングが重要だ。本作では様々な依頼者による謝罪の代用のようなことが描かれている。ヤクザの車に追突した女は、謝罪方法を間違えたばかりに、ソープへ沈められそうになったのだが…。

謝罪専門家にかかれば、ヤクザに気に入られ示談金がなかったことになるパターンすらある。もはや謝罪の域を超えている。謝罪ひとつとっても様々なパターンがあるのはわかるのだが、純粋に謝罪ではなく、物事を丸くおさめる方法が描かれている。

セクハラ男の謝罪や、俳優が他国に対して行った侮辱行為に対する謝罪など。規模が大きくなればなるほど、謝罪の難しさがあらわとなる。元はといえば、ラーメン屋の店員の湯切りの湯が自分にかかったことに対する謝罪がないことに腹を立て、謝罪の専門家となった男。

ことを起こした本人はまったく謝罪せず、立場が上の人が金銭をたずさえながら謝罪にやってくる。真の謝罪とは何なのか。相手の心に響く謝罪を行えば、そこには何の問題もなくなるはずだ。

文化の違う国に対して謝罪するのは難しい。土下座が相手を侮辱する行為に当たるなどと、普通は考えない。日本人的な考え方が通じない場合は多々あるだろう。それを極端な形として描いたのが本作なのかもしれない。

事態は大ごととなり、ついには国のお偉いさんまでもが謝罪に赴くことになるのだが…。何度も謝罪が失敗し、ついには総理大臣までもが謝罪に出ばってくることになる。土下座が通用しない国に対しては、どのようにして謝罪すべきか。このオチが、バカバカしいがすばらしい。

謝罪の難しさをコメディで表現している。



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