スナイパー


 2020.8.10      目的不明なスナイパーの恐怖【スナイパー】

                     
スナイパー /カリ・スコグランド
評価:3

■ヒトコト感想
緊迫感がすさまじいスナイパーの物語だ。元CIAのジョーが銃器メーカーの副社長であるリバティを広場のホットドックスタンドから動けないようにする。スナイパーが狙い、携帯電話が切れると爆弾が爆発する。足枷をはめられたリバティはジョーと電話越しに交渉を続ける。強烈なのはジョーが容赦ないということだ。リバティの元にやってきた警官をあっさりと射殺してしまう。

ジャーナリストとの交渉の際にも、躊躇なく射殺する。序盤ではジョーの目的が不明なだけに緊迫感が強まる。そこから、ラストにかけてFBIが集合しテレビでの生放送も入るのだが…。ジョーは銃で娘を殺された恨みを晴らすため銃器メーカーの幹部にターゲットを定めた。その周到な準備に圧倒されてしまう。

■ストーリー
元CIA諜報員のジョー(ウェズリー・スナイプス)は、アメリカ最大の銃器メーカー副社長リバティ(リンダ・フィオレンティーノ)を広場のスタンドに拉致拘束して、遠くのビルからライフルで脅迫。彼女が連絡手段の携帯を切ると、スタンドに仕掛けられている爆弾が爆破する。ジョーは愛娘を学校の発砲事件で殺されており、その復讐としてリバティを選んだのだ。しかし彼女は政府との闇取引にも関与していることで、社長の夫は殺し屋をひそかに送り込み、さらにはSWATも動き出した…。

■感想
スナイパーから狙われているために、そこから動くことができないパターンは古くは「フォーン・ブース」というのがあった。携帯で連絡をとりながら、ジョーの指示に従うしかないリバティ。爆弾がいつ爆発するかという恐怖で、ジョーに言われるがままに、賄賂の贈り先や自分の悪事をすべて薄情するリバティ。

ジョーの目的はこれだけではない。娘の仇をうつためになんらかの制裁を加えるというのは雰囲気として感じられた。リバティの元にやってきた警官をあっさりと銃撃するあたりで、ジョーの本気度が伝わってきた。

ジョーの言いなりになるしかないリバティ―。驚きなのはジョーはリバティだけでなく、近くの劇場でリバティの不倫相手の男に対しても仕掛けをしていた。劇場自身に仕掛けをすることで、クライマックスで周辺に混乱を巻き起こす効果がある。

ジョーは用意周到で射撃の腕がすさまじい。リバティは人質として取られた場合の規定にのっとって、会社からも命を狙われることになる。ジョー以外にも銃器メーカーの幹部が手配した狙撃手にリバティは狙われるのだが、それをアベコベに倒してしまうジョーはすさまじい。

ジョーの目的はリバティの夫に復讐することと、リバティの告白をマスコミにばらすことだった。強烈なのは、FBIが翻弄されマスコミもいいように利用されている部分だ。リバティは殺されるかと思いきや…。リバティは生き証人として今後は懺悔し続けるのだろう。

近くの劇場が爆発したりと、ラストでは周辺を混乱させすべてをやりきったジョーは最後の後始末をする。序盤での緊迫感あふれる展開はすばらしい。ジョーの真の目的がわからない状態というのは強烈だ。

強烈な緊迫感あふれる展開だ。



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