2021.6.25 はちゃめちゃな傾奇者が敵討ちをする【助太刀屋助六】
助太刀屋助六
評価:3
■ヒトコト感想
江戸時代の物語。助太刀稼業を生業としている主人公の助六。生まれ故郷に帰り、そこで仇討の現場に遭遇する。仇である男は侍の片倉梅太郎。実は梅太郎は助六の父親だったという流れだ。この梅太郎がすこぶるかっこよい。侍として凛としており、相手が敵討ちとして火縄銃まで用意しているとわかっていても、決闘に挑む。梅太郎は助六が自分の息子だと気づき、助六を遠ざける。
助六の底抜けに明るい雰囲気から、仇討後に梅太郎の正体に気づく。シリアスな展開にはならず、助六はおちゃらけた雰囲気をだしながら梅太郎の仇をとるために動き出す。助六のキャラが全てだろう。梅太郎のかっこよさや全ての元凶である榊原のわかりやすい悪者具合もかなり良い。
■ストーリー
仇討ちに加勢する助太刀屋稼業にハマり、「助太刀屋助六」を自称する主人公(真田広之)が、生まれ故郷の上州に帰ってくる。時あたかも脇屋新九郎(鶴見辰吾)と妻木涌之助(風間トオル)が兄の仇討ちをしようとするところで早速売り込む助六だが、あっさりと断られてしまう。仇討ちの検分役である関八州取締出役・榊原織部(岸部一徳)が到着し、仇討ちが始まる。脇屋たちの仇である侍の片倉梅太郎(仲代達矢)は斬られ仇討ちは終わるが、実は彼こそ助六の父親だった。
■感想
俗に言う傾奇者なのだろう。助六は派手な絹の着物を着て長い刀を持つ。ただ、その刀は錆びだらけでまともに鞘から抜くこともできない。そんな助六が故郷に帰ってくると、故郷は仇討騒ぎで村中もちきりだった。仇討の検分役として榊原がやってくる。
小さな村に大物がくるということで大騒ぎとなる。仇の梅太郎は、ひたすらひっそりとその時が来るのを待つ。この梅太郎の落ち着きと只者ではない雰囲気が良い。助六がちゃかしにやってきたとしてもまったく動じない。
梅太郎と侍たちは対決する。ここでは、梅太郎1人に4人の侍が切ってかかるのだが、最後まで梅太郎は抵抗し道連れを作り続ける。梅太郎が死んだとわかると、いったんは騒ぎは静まるかと思いきや…。助六は梅太郎が自分の父親だと気づく。そして、酒盛りをする侍たちの元へ乗り込んでいく。
助六は終始おちゃらけながら、梅太郎が死んだことに対してショックは受けていないように思えたのだが…。たったひとりで飲み屋に乗り込んでいくほど、実は怒り狂っていたとわかる。
助六は村人たちに慕われていた。やんちゃな悪ガキがそのまま成長したような助六だが、周りに慕われ、検分役を殺害したとしても、周りは助六をかばおうとする。助六は火縄銃に狙われ撃たれてしまう。絶対絶命な助六をしっかりと村人たちは助けようとするのだが…。
そこから、助六は死んだと思わせ村の外に逃げ出してしまう。この助六の自由気ままな行動が良い。また、しっかりと悪者が描かれていることで、助六の行動に共感がもてるようになる。
古い作品だが、助六の破天荒さが強く印象に残る作品だ。
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