2020.5.10 ヒリつくテロ組織との駆け引き【SPOOLKS スプークス MI-5】
SPOOKS スプークス MI-5
評価:3
■ヒトコト感想
イギリスの諜報部員たちのひりつく駆け引きの物語だ。テロ組織の首謀者であるカシムを、移送中に奪われてしまう。現場責任者のハリーは責任を感じて自殺するのだが…。実はハリーはカシムを逃亡させたスパイがMI5内部に存在するとにらみ、カシム側にひそかにスパイを教えるよう交渉をもちかけていた。
そのことをMI5が嗅ぎつけると元凄腕エージェントであるウィルを呼び戻し、ハリーを探す任務につかせるのだが…。テロ組織との駆け引きが秀逸だ。カシムの妻を返すことを条件にテロをやめさせようとする。ハリーはスパイをあぶりだすことと、テロを阻止することに心血を注ぐ。ウィルは独自の調査でハリーの危うさや内部のスパイについても見つけだそうとする。
■ストーリー
MI5テロ対策本部の諜報部員たちはアメリカCIAから国際指名手配されたテロリストのアデム・カシム容疑者(エリス・ガベス)を護送していたところを武装した一団に襲われる。市内で銃撃戦になると一般市民が巻き込まれると懸念した責任者のハリー(ピーター・ファース)は容疑者釈放の判断を下す。MI5史上最悪の失策と叩かれ容疑者を逃走させたハリーは解任となった。CIAに対し面子の潰れたMI5は、かって当局に所属しハリーの部下で敏腕エージェントだったウィル(キット・ハリントン)を呼び戻しカシム追跡のミッションを命じる。
捜査を進める内に、ウィルは局上層部の人間が逃走の手引きをしたと疑い水面下でカシムを追うハリーと合流する。2人は逃走させた裏にはMI5が関わっていることを突き止める。ロンドン市内で爆破テロを企てるカシムがМI5に奇襲を仕掛けて来た。彼らの狙いは?そして、カシムとMI5を結びつける陰謀とは?今、MI5史上最大の危機が訪れる。
■感想
騙し騙されの世界だ。MI5内部にスパイがいる。そのスパイをあぶりだすためにテロ組織内部に入り込もうとするハリー。すさまじい執念だ。カシムとのひりつくような駆け引きの数々。カシムの妻を違法な手段を使ってでも連れ出そうとするハリー。
カシムのテロを阻止する目的とスパイをあぶりだすために奔走する。そんなハリーをとらえるために元凄腕エージェントのウィルが呼び戻される。もともとはハリーに首にされた人物のため、ハリーをとらえるにはうってつけの存在ということなのだろう。
スパイの正体が見えないまま、カシムとハリーの取引がスタートする。カシムの妻はすでに死亡していたが、妻に化けた捜査官を連れてカシムと交渉しようとするのだが…。カシムが今まさにテロを実行しようとした時、妻の正体がバレてしまう。そして、絶対絶命となったハリーだったが…。
ウィルの目の前で交渉が失敗しハリーも射殺されるかと思いきや…。ハリーは交渉を続け、そのままテロの阻止に成功する。ここでウィルは気づく。カシムがテロを断念しても実行したいことは何なのか…。
ラストはMI5内部での衝撃的な展開となる。黒幕を見つけ出したハリーが、黒幕の目の前にやってきて語る。ここで、相手に対して徹底的な一言を告げる。黒幕は瞬間的にすべてを悟り目には涙が溜まっている。このひりつく展開がすばらしい。
すべてを裏で操作していた黒幕は、他人を陥れたツケがまさか自分に降りかかるとは思っていなかったのだろう。MI5は遅かれ早かれCIAに潰される。その時に、自分が出世することだけを考えていた者には無残な結末が待っていた。
テロ組織との駆け引きはすさまじい。
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