白い沈黙


 2020.1.14      組織的な子供誘拐組織【白い沈黙】

                     
白い沈黙 [ ライアン・レイノルズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
幸せな家庭が突如として崩壊していく。父親のちょっとした不注意から9歳の娘キャスが行方不明となる。誘拐された兆候がないことから、警察からは父親が疑われることになる。8年もの歳月が過ぎでもマシューは娘の生存を信じ続けている。恐ろしいのは子供を誘拐する組織がしっかりと出来上がっていることだ。

さらにはその組織は資金をもち、高度な技術さえももつ組織だ。子供を誘拐された親の職場に隠しカメラをセットし嘆き悲しむさまを娘に見せたりもする。あげくは刑事の家にまで監視カメラを仕掛け、捜査状況を把握したりもする。マシューが執念で犯人組織を追い詰める最後の展開は手に汗握る。刑事が最後までマシューの言うことを信じないのはなんだかムカムカしてきた。

■ストーリー
カナダ・ナイアガラフォールズの街でつつましくも幸せな家庭を築き上げたマシューが、突然の悲劇に見舞われた。それはある吹雪の日、スケート選手を夢見る9歳の愛娘キャスを迎えに行った帰り道のこと。行きつけのダイナーに立ち寄ったほんの数分の間に、車の後部座席に残したキャスが忽然と姿を消してしまったのだ。何者かによる誘拐を主張するマシューだったが、具体的な物的証拠や目撃情報は一切ない。

刑事たちから疑惑の目を向けられたマシューは、娘の失踪に取り乱した妻ティナからも猛烈な非難を浴びてしまう。それから8年。捜査は完全に行き詰っていた。娘を守れなかった自責の念に駆られたマシューは、毎日あてどなく車を走らせてキャスを捜し廻っている。そんなある日、刑事がネット上でキャスに似た少女の画像を発見し、その後も彼女の生存を仄めかす手がかりが次々と浮上する。それはいったい誰が、何のために発したサインなのか。キャスは本当に今も生きているのか。やがてマシューの行く手に待ち受けていたのは、空白の8年間をめぐる想像を絶する真実だった?

■感想
子供を誘拐するとなると、かなりの異常者だというイメージがある。ただ実際には社会的に地位があり金をもち名誉ある人物であるのだろうか。キャスを誘拐した組織は、キャスを使いさらに別の子供を誘拐しようとまで考えている。

キャスが誘拐されたことでマシューと妻の関係は悪化していく。警察はマシューの狂言誘拐を疑い、しまいには妻もその説を信じるようになる。妻の勤め先にカメラが隠されていたことを知ると、それすらもマシューが準備したと思われてしまう。すべてを知る観衆としてはマシューの立場には強い同情心を感じずにはいられない。

8年間、キャスを探し続けたマシュー。刑事もあきらめずに追いかけ続けるのだが…。ここからの成長したキャスと組織の者のやりとりは奇妙だ。キャスは同じような子供を誘うためのおとりとなる。ネットを使いテレビ電話やチャットで子供を誘いだそうとする。

組織はひとつだけではなく、複数存在する。強烈なのは組織はかなり大掛かりで女の協力者もいるということだ。女刑事が別組織の者を逮捕したことを逆恨みされ、パーティで眠り薬を処方されミニバンに監禁されることになる…。

キャスと一瞬だけ会うことができたマシュー。その後、キャスの言葉からヒントを見つけ出し、組織のメンバーを探し出す。ここからが物語のピークだろう。マシューの必死の追走劇によりマシューを疑っていた警察組織もついに組織のアジトにたどり着くことに成功する。

そこでなんらかの最後の抵抗があったが、あっさりと犯人組織は壊滅する。結末までがやけにすんなりと終わったが、盛り上がりはすさまじい。この組織がそれまでよく捕まらなかったなぁ、と思う部分もあるのは確かだ。

子供を誘拐する組織は強烈だ。



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