シング・ストリート 未来へのうた


 2019.10.2      イケてない童貞たちがバンドではじける【シング・ストリート 未来へのうた】

                     
シング・ストリート [ シング・ストリート 未来へのうた ]
評価:3

■ヒトコト感想
父親の失業の影響を受け、荒れた学校に転校させられたコナー。そこで運命の出会いをする。大人びた美しさをもつラフィナに惹かれ、ついMVのPVに出ないかと声をかけてしまう。口から出まかせが真実になる。コナーはラフィナと仲良くするためだけに慌ててバンドを組む。そこからコナーはバンドに熱中することになり、荒れた学校内で異質な存在となる。

コナーが集めたバンドメンバーが、いかにもスクールカーストの下位にいるような生徒ばかりだが、ラストではバンドで生徒たちを熱狂させるまでになる。お決まりどおり厳しい校長の目の敵にされ、暴力的な生徒のターゲットとされたりもする。それら障害をのりこえながら、コナーはラフィーナの気を引くためだけに必死になる。

■ストーリー
1985年、大不況のダブリン。人生14年、どん底を迎えるコナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのPVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を撃ち抜かれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛練習&曲作りの日々が始まったーー。

■感想
父親と母親の仲は悪く、今にも離婚しそうだ。父親の失業で経済状態が悪化した家庭は、費用削減のため教育費を削ることに…。ターゲットとされたコナーは荒れた高校へ転校させられ、そこで運命の出会いをする。コナーの転校当初は荒れた学校になじめず、このままいけばいじめられっ子一直線な格好だった。

それが動機が不純ではあるが、バンドを組むことになり、そこからスクールカーストが上がっていく。いきなり集めたバンドメンバーは個性的だ。この決してかっこいいわけでもないバンドメンバーだからこそ面白い。

コナーは次第にバンドにのめりこむようになる。ラフィーナの気を引きたいからと兄の助言を受けてオリジナル曲を作ったりもする。それにしてもこのバンドメンバーはいけてない風貌にも関わらず、それなりに楽器が弾けるのがすごい。

ラフィーナを出演させるためのMVにしてもかなり本格的だ。バンドメンバー全員が根底にもてたいという強い思いがある。そのため、学校の規則に反するギグを実施しようとし、しり込みするメンバーがいたとしても、女子がくると聞けば問題なく参加してしまう。

ラストは体育館で盛大なギグを実施する。いじめっ子をいつの間にか仲間に引き入れギグを成功させる。そして、一度は離れ離れになったラフィーナと再会するコナー。ラストはあまりにファンタジーすぎる。ふたりで小さな漁船に乗ってロンドンに向かうなんてのは無謀だ。

将来の不安や迷いなどすべて取っ払った駆け落ちのような状態なのだろう。ラフィーナは天涯孤独の身なので理解できなくはないのだが…。いけてない中学生がバンドと女にのめりこみ、最後の最後にはじけてしまう物語だ。

いけてないメンバー。特に坊主頭のベースが最高だ。



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