SING シング


 2019.4.21      演技はさておき、歌声を楽しむ作品だ【SING シング】

                     
SING/シング [ マシュー・マコノヒー ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
動物たちが歌う物語。つぶれかけた劇場を再建するためにコンテストを開くのだが…。個性豊かな動物たちの歌声を楽しむ作品だろう。吹き替え版で、誰が声を演じているのかを気にしながら見てしまった。メインキャラの中では本職の声優は少ない。有名歌手や俳優、芸人などで占められている。ただ、歌手はさすがに歌のシーンはほれぼれするような歌声だが、通常の演技に難がある。本職の声優はやはり段違いにうまいと感じることができる作品だ。

主役はコアラのバスター・ムーン。ヤマアラシや自己中心的なネズミ。歌がうまいゴリラやゾウなど、多種多様だ。子供が見ても楽しめるようにわかりやすい作りとなっている。大人は物足りないと感じるかもしれない。

■ストーリー
粋なコアラのバスター・ムーンが所有する劇場は、その活況も今は昔、客足は遠のき借金の返済も滞り、今や差し押さえの危機に瀕していた。そんな状態でもあくまで楽天的なバスターは、劇場にかつての栄光を取り戻すため世界最高の歌唱コンテストを開催するという最後の賭けに出る。

欲張りで自己チューなネズミ、歌唱力抜群だが超絶シャイな10代のゾウ、25匹の子ブタの世話に追われる母親、ギャングから抜け出して歌手になりたいゴリラ、浮気な彼氏を捨ててソロになるか葛藤するパンク・ロッカーのヤマアラシ、常に超ハイテンションなシンガー兼ダンサーのブタなど、多数の応募者がオーディションに集まってくる。皆、自らの未来を変える機会となることを信じて・・・。

■感想
バスタームーンは劇場を再建するために、歌唱コンテストを開催する。コンテストに参加する面々は個性豊かだ。それぞれには事情がある。特に多くの子供たちの面倒を見ながら主婦業を必死にこなす母親ブタは印象的だ。旦那は仕事に忙しく、話をしようとしてもすぐに眠ってしまう。

歌の夢をあきらめきれない動物たちが、コンテストに夢をかける。シャイな10代のゾウは、歌唱力はすばらしいのだが、性格がシャイなため自分の実力をアピールすることができない。

歌手になりたいゴリラは、父親がギャングのボスなため、知らず知らずのうちに強盗の手助けをさせられたりもする。スキマスイッチのボーカルが声優をしているのだが、さすがに歌はうまい。ただ、それ以外のシーンは微妙かもしれない。

普段の話声と歌声のギャップは大きいので、それは良いのかもしれないが、声の細さが気になった。そのほかには、圧倒的な個性を放っているのが自己チューなネズミだ。さすが本職の声優なだけに演技や声がすばらしい。憎たらしいネズミのキャラにぴったりの声だ。

バスタームーンの劇場が崩壊し、すべては終わったと思われた時、コンテストの参加者が再集合し歌のコンテストを再開する。皆が事情を抱えながらも、コンテストにすべてを注ぐ。その後、どうなったかなんてことはどうでもよい。

ラストの歌声を聞くことで、すべてはまるく収まっている。歌声を楽しむ作品のため、声優は重要だ。吹き替えであっても、歌は元の声をそのまま使用しているパターンもある。歌唱力と演技力のバランスに苦慮したことがうかがえる作品だ。

子供にもわかりやすいストーリーだ。



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