シンドラーのリスト


 2021.2.15      ユダヤ人を守るために奮闘したドイツ人【シンドラーのリスト】

                     
シンドラーのリスト[ リーアム・ニーソン ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
第二次世界大戦中のナチスのユダヤ人迫害を描いた作品。かなりの有名作品だが今まで見る機会がなかった。見る前の印象では、シンドラーはユダヤ人で同胞を助けるタイプの物語かと思ったのだが。。。序盤でシンドラーがドイツの有力者と親しく会話をしているシーンが登場し、正直よくわからなかった。

最初は純粋に賃金の安いユダヤ人を使い儲けようと考えていたシンドラー。それが、だんだんとユダヤ人を助けるために、工場の労働力という理由をつけて助け出そうとする。収容所の所長であるゲートがとんでもなく残虐非道な男であるが、そのゲートと対等以上に渡り合うシンドラーのすさまじさに感動した。資産をなげうってでもユダヤ人を助けようとするその心意気がすさまじい。

■ストーリー
1939年-。ドイツ人実業家、オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)が、ポーランドの古都クラクフにやってくる。野心家でナチス党員の彼は、巧みな話術と賄賂を使ってドイツ軍の上層部に取り入り、たちまち軍需工場で成功を収める。彼が雇っていたのは、有能なユダヤ人会計士、イザック・シュターン(ベン・キングスレー)のほか、賃金の安いユダヤ人労働者だった。

やがて、ユダヤ人への迫害がエスカレートし、彼らが強制収容所で恐ろしい残虐行為の犠牲となっていくのを目の当たりにしたシンドラーは、ユダヤ人を助けようと、収容所所長、アーモン・ゲート(レイフ・ファインズ)に渡すためのあるリストを作り始める…。

■感想
本作が実話をもとにしていることに衝撃をうけた。ラストでは作中に登場した生き残ったユダヤ人の今の姿が登場してくる。もし、あの時、シンドラーがリストアップしていなければ、この子供や老人たちはガス室送りになっていたのだろう。

シンドラーが果たした功績は大きい。それと共に、本作がすさまじいのは、ユダヤ人迫害をそのまま描いているということだ。ゲートが少しでも気に入らないことが起きると、目の前にいるユダヤ人は撃ち殺されてしまう。とんでもない状況だ。

ユダヤ人たちはゲートの顔色を窺いながら労働をする。シンドラーがゲートのことをいさめたとしても、それは一瞬だけ。まるで気分転換するかのように、家の窓からライフルでユダヤ人を狙い撃ちする。もしかしたら収容所所長としてゲートにも言い分はあるのかもしれない。

ただ、どんな理由があろうと、バスタブの汚れがとれていないからと射殺するのはない。建築物を正しく作るためにアドバイスした建築主任をその場で射殺する。ただ、アドバイス通りに別の者にやり直させる。この理不尽さがゲートの恐怖の源だ。

ラストでドイツが降伏した瞬間に、すべてが変わっていく。シンドラー自身もナチスの党員として追われることになる。それまでどれだけユダヤ人のために尽力してきたとしても、逮捕される可能性がある。シンドラーの気持ちは変わり、自分の利益を度外視してユダヤ人を助けるために動き出す。

迫害されてきたユダヤ人たちからすると、シンドラーは神様のような存在なのだろう。シンドラーがドイツ軍の幹部たちに対してもユダヤ人を助けるために交渉するシーンはしびれてくる。

ラストの流れは感動せざるお得ない。



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