サイレント・ワールド 2013


 2018.10.23      身勝手な家族たち 【サイレント・ワールド 2013】

                     
サイレント・ワールド2013
評価:1.5

■ヒトコト感想
サイレントワールド系の作品は他にもある。本作はヨーロッパ全土が氷河期に突入というパターンだ。他作品と比べると氷河期の描写が弱く、ただ雪が降っているだけで、俳優たちが異常に寒がるということで、異常寒波を表現している。メインはパイロットのフォスターとその息子たちなのだが…。ヨーロッパ全土の話なのに、この家族の身勝手さばかりが描かれている。

息子たちに会いに行くために検問を破り寒波のため封鎖されたパリに入り込もうとする。息子たちは、父親と待ち合わせした場所に行くため非常事態宣言がでたパリで警察の静止をふりきりエッフェル塔へと向かう。結局のところ異常寒波を解決する手段がどうだとかはいっさいない。ただ、家族が合流するだけの物語だ。

■ストーリー
アイスランドで大規模な火山噴火が発生。やがて火山灰が欧州全土の空を覆いつくし気温は急降下、ヨーロッパは新たな氷河期に突入した。元米軍パイロットのフォスターは、息子たちがフランスで孤立していることを知り、ロンドンから危険な救出の旅に出る。タイムリミットが迫る中、彼らはこの白い地獄から、脱出することができるのか?迫力のディザスター・シーンで魅せる氷河期パニック!

■感想
大規模火災からヨーロッパ全土の氷河期へとつながる。世界的危機なことは間違いないのだが、本作がメインに描いているのは、ひとつの家族の物語だ。パリで非常事態宣言が発令された中で、フォスターは自家用ジェット機をロンドンに不時着させる。

フォスターの息子たちは突然寒波に襲われたパリで、寒さに震えながらなぜか頑なに父親たちとの待ち合わせ場所であるエッフェル塔を目指そうとする。この流れが不明だ。エッフェル塔で父親たちと合流したからといって、異常気象から逃れることはできないはずだ。

ヨーロッパ全土の異常気象となると、普通ならば世界的に大騒ぎとなり、偉い人や科学者たちが対応策を練るはずだ。そして、ミサイルを発射するだとかの奇想天外な方法で、寒波を吹き飛ばし、めでたしめでたしとなるのが定番だろう。本作もどことなくアルマゲドン的な流れかと思いきや…。

実際に異常気象が解消されることはない。ただ、人間たちは逃げるかじっと耐え忍ぶしかない。そんな中で、フォスター家族だけはアグレッシブに家族みんなが再会しようとする。

息子たちはパリを封鎖する警察や兵士たちの静止をふりきりエッフェル塔へ向かう。フォスターは警備兵を突破しパリに入り込む。そして、エッフェル塔の上でアクロバティックな救出劇が始まるのだが…。なんだか、この展開というのはあまりに強烈すぎる。

フォスターが息子たちを救出したからといって、その後、世界が変わるわけではない。ただひとつの家族のわがままのために、結構な人たちが大きな影響を受けるという流れとなっている。

タイトルに騙されがちだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp