セルフレス 覚醒した記憶


 2019.7.27      永遠の命が人間の最後の欲望【セルフレス 覚醒した記憶】

                     
セルフレス/覚醒した記憶 [ ライアン・レイノルズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
建築家として成功し莫大な資産を得たダミアンだが、高齢となりガンには勝てず余命わずかとなる。億万長者で地位も名誉も手に入れた者が次に欲しがるのは永遠の命だ。科学者のオルブライトから新しい肉体を手に入れないかと打診される。億万長者の夢をかなえるような物語だ。

ダミアンからすると健康で若い肉体が手に入るのなら、金は惜しまない。ダミアンはクローンとして作られた禁断の肉体を手に入れたかと思いきや…。若い肉体は、実はマークという男の肉体だった。自分が手に入れた若い肉体は、実は別の家族の犠牲のもとに成り立っていると知り苦悩するダミアン。若くたくましい肉体に老齢な知能が合わさったダミアンは、自分を騙したオルブライトへ復讐を誓う。

■ストーリー
〈NYを作った男〉と称えられる建築家ダミアンが、余命半年と宣告される。偉大な知性とカリスマ性で政界や財界を操ってきた男も、ガンには勝てなかったのだ。科学者のオルブライトから最新技術で培養した肉体に頭脳を転送しないかともちかけられたダミアンは、莫大な料金と引き換えに別の肉体で新たな人生を始める。

だが、彼の肉体はクローンではなく、妻と幼い娘がいるマークという特殊部隊の兵士だと判明。真実を知ったダミアンはオルブライト率いる秘密組織に命を狙われる。今、知能×パワー=〈最強兵器〉に生まれ変わったダミアンの、たった一人の闘いが始まる――!

■感想
全てを手に入れた男・ダミアン。ガンで余命わずかなダミアンは、科学者のオルブライトから禁断の提案をされる。若い肉体を手に入れたダミアンは、その自由さに最初は混乱するが、すぐに慣れて若さを謳歌する。ダミアンが手に入れた肉体が、実はマークという男のものだった。

物語はダミアンがマークのことに気づくことから複雑化する。臓器移植系の作品でも同じような展開はあるのだが、元の持ち主の記憶が残り、それによりダミアンは混乱することになる。

ダミアンがマークの家族にたどり着くと、より複雑化していく。ダミアンの記憶とマークの記憶が混同することを抑えるためには、オルブライトの薬を飲むしかない。マークが元兵士だったということで、戦闘力があり好戦的となる。

ダミアンの知能とマークの肉体が合わさると無敵となる。オルブライトの組織からダミアンがつけ狙われることになり、必死にマークの家族と共に逃亡し続ける。ダミアンの複雑な心境がよくでている。すべてを明かされてからもなお、ダミアンは記憶を保持し続けるのか。

ダミアン以外にもオルブライトから体を提供されている者もいた。ダミアンのビジネスパートナーである男は、息子を亡くしたはずが、その息子が蘇っていた。まさに禁断の技術だ。

物語の後半では、オルブライト自身も若返りの体を手に入れており、知能をフル活用している。永遠の命は、すべてを手に入れた者たちの最終的に望むモノだろう。人間は命に限りがあるからこそ、そこに価値を見出している。オルブライトの考え方も一理あると思うが、倫理には反している。

永遠の命が人間の最後の欲望なのか。



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