セル


 2018.12.3      ゾンビ化する携帯人間 【セル】

                     
セル [ ジョン・キューザック ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
タイトルのセルは携帯電話のことなのだろう。携帯から聞こえる謎のノイズで人間が変化する。それはまるでゾンビのように人に襲いかかる。ゾンビが噛まれたらゾンビになるように、本作ではノイズを聞くと人はゾンビ化する。コミック作家のクレイは偶然難を逃れ、車掌のトムや少女のアリスと出会いゾンビから逃げ続ける。

謎のノイズを聞いた人間はゾンビ化するが、まるで携帯の電波を受信するような動きをする。皆で一緒に行動したり、夜中には再起動のためピクリとも動かないなど。銃で撃てば殺せるのだが、驚愕なのはゾンビの口からノイズが流れ、それを聞いた人間もゾンビになってしまうという流れだ。携帯社会に警笛を鳴らすような作品?なのだろう。

■ストーリー
コミック作家のクレイは、ボストンの空港から別居中の妻と息子へ携帯電話で通話中、電話のバッテリーが無くなってしまい、途中で切れてしまう。すると、突然周囲で携帯電話で話し続けていた人々が次々と狂暴化、無差別に殺戮の限りを尽くし、一瞬にして空港は血の海と化す。

命からがら地下鉄に逃げ込んだクレイは、車掌トムと少女アリスと出会い、3人で力を合わせて助け合いながらボストンを脱出。とにかく妻と息子が住むニューハンプシャーを目指す3人に、次々と狂暴化した人間="奴ら"が奇声を発し襲い掛かって来た。

■感想
携帯で話をしていた者たちが、ある日突然狂暴化し人間を襲う。奇妙な音声を発信しながら無差別に人間を襲う。ゾンビのような携帯人間たちは群れを作り全力疾走で襲いかかってくる。偶然生き残ったクレイは、トムとアリスと共に逃げ出すのだが…。

流れはゾンビ映画と同じだ。携帯人間に気づかれないように逃げながら、生き残った正常な人間たちと合流し事態の打開策を考える。ゾンビと違うのは、夜になると活動を停止することだ。このあたりゾンビとはあえて正反対にしているのだろう。

再起動のため停止中の携帯人間たちが固まっている場所がある。そこにクレイたちはガソリンを撒き、携帯人間を焼き尽くそうとする。その際にガソリンを噴霧する車両で眠っている携帯人間たちの上をドカドカと車で乗りあげるシーンは強烈だ。

人の絨毯の上を車ですすんでいるような感じだ。息子と離れ離れになったクレイは自分の家に戻るのだが…。まさにゾンビ映画そのままに、離れ離れの家族を探す道中では、仲間が携帯人間にやられたりもする。まさに典型的なゾンビ映画なのかもしれない。

ラストは少し特殊だ。流れとしては、すべての元凶である携帯人間が、電波塔を使て奇妙な電波を発信していたということらしい。電波塔の周りを携帯人間たちが列を作ってぐるぐると永遠に回り続けている。クレイはすべての決着をつけるために行動するのだが…。

今の社会で携帯電話なしの生活は考えられない。作中では通話をしているとノイズにやられるという描写だ。このあたりアメリカと日本の携帯の使い方の違いかもしれない。通話さえしなければ助かる、という描写すらある。

特殊なゾンビ映画といった感じだろうか。



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