セキララ人生相談 ミもフタもないけれど大人の知恵と情はある。 


 2018.12.1      言いにくいことをズバズバ言う 【セキララ人生相談 ミもフタもないけれど大人の知恵と情はある。】

                     
セキララ人生相談 ミもフタもないけれど大人の知恵と情はある。
評価:2.5
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■ヒトコト感想
石田衣良が読者の相談に答える。悩みは割と深刻なものからライトなものまで、人に相談できなさそうな内容が多い。それに対して作者は普通の大人がアドバイスするような真っ当な答えは言わない。基本のスタンスは決まっている。人生は自分のもので親や子供に影響されるべきではない。セックスは楽しむもので、そのためには不倫や外に恋人を作ることもいとわない。

親の借金で苦しむ子供からの相談に対しては、残酷なことを平気でアドバイスしたりもする。セックスレス夫婦に対しては、奥さんの方に、外に割り切った関係のボーイフレンドを作れとアドバイスする。このご時世、なかなか思い切ったアドバイスであることは間違いない。

■ストーリー
不倫、セックス、仕事、夫婦、生き方・・・。身もだえるほどのセキララな大人の悩みに、石田衣良が世間の道徳を超越して、全力でおこたえします! 相談内容の凄さと、極めて現実的かつユーモアと愛に溢れた回答に、引きこまれること間違いなしです。

■感想
大人の悩みを作者が気持ちいいほどスパっと答えている。夫婦間の問題や恋人との問題、家族関係や仕事のことまで。特に夫婦の悩みは、他人においそれと相談できるはずがない。匿名で相談したとして、普通の大人がアドバイスするのは、波風立てずに今の状態をキープするため我慢しろだとか、お互いに話し合ってみたら、という程度だろう。それが作者は明確にズバリと答えている。

性格的なものだから話し合ってもダメ。早目に別れて新しいパートナーを見つけた方がよいとまで言っている。

夫婦であればDVやセックスレスについてのアドバイスがすさまじい。DV夫は一生治らない。セックスレスも治らない。嫉妬深い女もダメ。我慢すべきではなく、新しいパートナーを見つけるために動き出すべきとまで言う。

今後何十年もずっとセックスレスでよいのか?とまるで脅しのような言葉までつなげている。自分の欲望に素直になり、自分の人生を謳歌すべきという考えなのだろう。そのためには、外に恋人を作るのもよいと考える。基本的に40代ならばまだまだ全然いけるという考え方だ。

仕事や家族についても語っている。特に印象的なのは、父親の借金の連帯保証人にされた独身の娘からの相談だ。父親の借金のせいで結婚もできない。となると、父親には自己破産してもらうしかない。それがつらいことであっても、娘の人生を道連れにする権利は父親にはない。

わかってはいるが、なかなか言えないことだろう。作者の楽観的な性格や、作家として成功したからこそ言えるのかもしれねい。皆がそのスタンスで生きることができるとは思わないが、多面的な見方のひとつとしてはよいのだろう。

かなり強烈な人生相談だ。



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