関ケ原


 2019.8.9      光成が善で家康が悪【関ケ原】

                     
関ヶ原
評価:3.5

■ヒトコト感想
石田三成と徳川家康の対決をメインに描いた作品。関ケ原の合戦にいたるまでにどのような駆け引きがあったのか。世間一般では徳川家康が善で石田三成が悪のような印象がある。それは、勝者が作った歴史なのだろう。豊臣秀吉亡きあとの主導権を握る戦い。石田三成を岡田准一が演じているので、三成はどうしても義に熱いかっこよい男のように思えてくる。

秀頼のために汗をかく三成。逆に家康は腹黒く、表面上は相手に服従するふりをしておきながら、裏では反逆の機会を探る。家康は天下をとるために三成を利用した。家康の狸おやじ具合がこれでもかとアピールされており、三成が正義の男だという流れとなっている。歴史は見方を変えれば印象も変わるという典型だろう。

■ストーリー
関ヶ原の戦い―それは、戦乱の世に終止符を打ち、後の日本のありようを決定づけた。豊臣家への忠義から立ちあがる石田三成と、天下取りの野望を抱く徳川家康。三成と家康は、いかにして世紀の合戦に向うのか…。日本の未来を決した、わずか6時間の戦い。誰もが知る「関ヶ原」の誰も知らない真実を描いた、超大作スペクタクルアクション。

■感想
豊臣秀吉の天下の時代に、次の天下を狙う者がいた。本作の流れとしては豊臣家を守ることを考える石田三成と、豊臣から天下を奪い取ることを考える徳川家康という図式だ。自然と、義を通そうとする三成は善であり、幼い秀頼から天下を奪い取ろうとする家康が悪という流れだ。

三成は正義感に熱い融通の利かない堅物という印象だ。対して家康は表向きニコニコしたおやじだが、裏では激烈に怒りの気持ちをため込み、天下とりを目論む腹黒い男という描かれ方をしている。歴史的評価もそうなのだろう。

様々な大名たちとの駆け引きを続ける三成と家康。秀吉亡きあと、どのような勢力図となるのか。お互いが味方を増やすための行動をとる。最終的には西軍と東軍に分かれるのだが、そこにもまだ謀略が隠されている。

三成の側近となる島左近や家康の周りを固める武将たち。そして、最終的には三成を裏切ることになる小早川の存在など、歴史的事実を知り、その人物がどのように描かれているかも本作を楽しむ一つかもしれない。歴史に詳しくなくとも楽しめることは間違いない。

関ケ原の合戦の描写はすさまじい。西軍東軍が死力をつくすのだが…。そこでも我関せずと動かない勢力もある。歴史のIFとして、もし小早川が裏切っていなかったら西軍が勝ったのかというのは気になるところではある。

三成は最後までかっこよく、そして三成側についたものはクローズアップして描かれている。特に大谷刑部は三成の親友という描かれ方をしており、体がボロボロで目が見えない状態であっても、御輿に乗った状態で敵を圧倒している。

歴史的に詳しければなお楽しめることだろう。



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